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ミュージックマン・スティングレイのベースについて

stingray-bass

エレキベースのスタンダードといえば、フェンダー・プレシジョン・ベースフェンダー・ジャズベースを思い浮かべる方がほとんどでしょう。1950年代から現在にいたるまで多くのベーシストに愛され続けているこの2つのスタンダードを生み出したのが、フェンダーの創始者であるレオ・フェンダーです。

そんなレオ・フェンダーがフェンダーを去った後の1970年代に生み出し、プレシジョンベースやジャズベースに続くスタンダードベースの筆頭と言えるのがミュージックマン・スティングレイです。

ミュージックマン・スティングレイの歴史

迷走の時代に誕生した新しいスタンダード

1970年代から80年代にかけては世界中の楽器メーカーが迷走した時代と言われています。特にエレキギターやエレキベースの場合、1950年代に完成した定番モデルに代わるものを作ろう、と各メーカーがさまざまなアイデアを形にし、奇抜なモデルを次々と発表しました。

スタインバーガー

ネックの反りやねじれを防ぐためにマテリアルにアルミニウムを採用したトラビスビーンや、デッドポイントをなくすためにヘッドを消滅させてしまったスタインバーガーなど、これまでの常識を覆すようなエレキギター、ベースが誕生しては消えて行きました。
スタインバーガー・ベース

50年代に完成した定番モデルの完成度はあまりにも高いものですので、それを超えるものを作るのは決して簡単なことではありませんでした。
そんな中で誕生したのがここでお話するミュージックマン・スティングレイです。

ベースのプレイスタイルに革命を

ベースにはピック弾き、指弾き、スラップ…とさまざまな奏法があります。そしてそれぞれの奏法に合ったサウンドというものが存在しています。
これまでは多くのベーシストが、自分のメインとなる奏法に合ったサウンドメイクをし、その音で1曲を、または1本のライヴを通さなければなりませんでした。

楽曲によってはメインは指弾きであっても部分的にスラップが必要、といったケースもあります。しかし、どちらかを生かすサウンドメイクをしていると、もう一方を殺すことになってしまうことがあります。そのため、1曲の中で、1本のライヴの中で使うことのできる奏法が限られていました。

スティングレイという、手元でサウンドを劇的に変化させることのできる(アクティブイコライザー:後述)ベースであれば。それぞれの奏法に合ったサウンドにすぐに切り替えることが可能です。これによって、ベーシストは曲に合わせて自由に奏法を選ぶことができるようになったのです。

これは大きな革命であると言えるでしょう。
このベーシストのプレイスタイルに起こった革命は、音楽そのものにも大きな影響を与えることになります。

ミクスチャーロックの象徴となったベース

flea-stingray

今日のロックシーンのメインストリームのひとつなっているジャンルがミクスチャーロックです。80年代半ばに登場し、90年代から現在にかけて大ブレイクしました。
このジャンルの草分け的存在であり、現在でもその中心となっているバンドがレッド・ホット・チリペッパーズです。
そしてベーシストであるレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーこそがスティングレイのポテンシャルをもっとも生かすことに成功したベーシストでしょう。

現在ではモデュラス製のオリジナルモデルを使用しているフリーですが、80年代から90年代まではブラックボディのスティングレイをプレイしていました。
激しく曲調が変化するチリペッパーズのボトムを支えるにはさまざまな奏法が要求されます。指でメローなサウンドを奏でていたかと思うと、次の瞬間には激しいスラップをプレイしなければならないことも少なくありません。従来のパッシブサーキットのベースではこのような奏法の変化に対応することのできるサウンドメイクはほぼ不可能でした。

それを簡単に実現することのできるスティングレイというベースが登場したことによって、フリーは、そしてチリペッパーズは自由に音楽を表現することができた、とも言えるのではないでしょうか?

このバンド、そしてベーシストによって切り開かれたミクスチャーというジャンルは近年のミュージックシーンに大きな影響を与えています。
少し大げさな表現になってしまうかもしれませんが、スティングレイという1本のベースによって音楽シーンは変えられたのかもしれません。

スティングレイ・ベースの特徴

このベースはどのような特徴を持っているのでしょうか?まずはスティングレイというベースについて知ることからはじめましょう。

常識を覆すアクティブイコライザー内臓ベース

アクティブイコライザー内臓

スティングレイの最大の特徴は、アクティブイコライザーを内蔵しているという点です。
従来のパッシブベースの場合、イコライジングはアンプ側で調整するのが当たり前でした。しかし、スティングレイの場合、プリアンプとアクティブイコライザーを内臓することによって、プレイ中に手元でイコライジングをすることが可能なのです。プレイ中に自在に音色を操ることのできる…まさに多くのベーシストにとって夢のようなモデルとしてスティングレイは登場し、今日ではさまざまなメーカーで採用されているシステムとなっています。

もしスティングレイが誕生し、ヒットすることがなければ今日でもアクティブサーキットが内臓されたベースが市民権を得ることはなかったでしょう。

1ハムバッカーピックアップ

スティングレイ:1ハムバッカーピックアップ

スティングレイのルックス、サウンドの大きな肝となるのがピックアップです。スティングレイが誕生した70年代から80年代には2つ以上のピックアップを搭載したベースが主流となっていました。
たしかにピックアップを複数の位置に取り付ければそれだけサウンドを多彩なものにすることができます。

しかし、スティングレイの場合、前述のアクティブイコライザーを搭載することによって、1つのピックアップで十分に多彩なサウンドを生み出すことが可能です。

また、あえてピックアップを1つだけに絞ることによって、シンプルな操作性を実現することができました。つまり、誰でも簡単に多彩なサウンドを操ることができるベースになったのです。

マイナーチェンジ

1970年代に誕生してから現在にいたるまで、基本的なボディシェイプやデザインに大きな変化はありません。しかし、時代に合わせてスティングレイにもマイナーチェンジが施されてきました。

もっとも大きなポイントがイコライザーの変更でしょう。最初期のモデルでは高域と低域のみを操作することのできる2バンドイコライザーが採用されていました。しかし、90年代にはより早く中域をカット、またはブーストすることへの需要が高まったことから、90年代には中域を追加した3バンドイコライザーに変更されています。

そのほかにも、ブリッジの構造、ジョイントプレートの形状および、ボルトの数、電池ボックスの形状など、さまざまなマイナーチェンジが繰り返され、スティングレイは少しずつ進化を続けています。

スティングレイ・ベースを使用する主なベーシスト

スティングレイは世界を代表する多くのベーシストのサウンドを支えてきました。その一部をご紹介しましょう。

  • Robert Trujillo ロバート・トゥルージオ(Metallica)
  • John Myung (Dream Theater)
  • Phoenix (Linkin Park)
  • Mike Herrera (MxPx)

フリー

今や世界で一番高い人気を誇るベーシストと言っても過言ではないのが、レッドホットチリペッパーズのフリーです。
現在ではスティングレイをモデルに設計されたモデュラスのオリジナルモデルを使用していましたが、80年代から90年代にかけてはスティングレイをメインベースとして使用していました。

フリーの特徴といえば、過激なスラップを思い浮かべる方が多いかと思いますが、代表曲「アンダーザブリッジ」などで聞くことのできるメローなサウンドもスティングレイならではのサウンドと言えるでしょう。
フリー(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)

ルイス・ジョンソン

元祖Mr.スティングレイといえば、ルイスジョンソンでしょう。
スティングレイは彼のために生み出された、とも言われるほどにこのベースの特徴を最大限に生かしたサムプレイやスラップが魅力的です。
ルイスはセッションミュージシャンとして活躍していましたので、さまざまなアーティストの作品でそのサウンドを聞くことができます。中でもスタンリー・クラークの「タイム・エクスポージャー」における怒涛のスラップはベーシストであれば一度は聞いておくべきでしょう。

クリフ・ウィリアムズ

スティングレイといえば、スラップを奏法をメインとするベーシストのイメージが強いですが、その真逆のスタイルでロックンロールを奏でるAC/DCのクリフ・ウィリアムズも愛用者の一人です。
爆音のツインギターの中でもしっかりと抜けるサウンドはまさにスティングレイならではのものと言えるのではないでしょうか。
彼のサウンドを聞けば、スティングレイが幅広いジャンルで活躍することのできるベースであることをより理解することができることでしょう。

スティングレイ・ベースのラインナップ

ミュージックマンスティングレイにはさまざまなラインナップが存在しています。どれも非常に完成度が高く、個性的なものですので、ベストな一本を選びましょう。

スティングレイ5

スティングレイ5

シリーズの中でも特に異彩を放っているのが5弦仕様のスティングレイ5でしょう。
単に弦を1本追加するだけでなく、ボディシェイプやそれぞれのパーツを新たに設計し直すことによって、非常に完成度の高い5弦ベースとなっています。

スティングレイ5を…
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クラッシックスティングレイ4

クラッシックスティングレイ4

1976年に、最初に誕生したスティングレイを復刻したものがクラッシックスティングレイ4です。現行のモデルでは廃止されてしまった弦の裏通し仕様や、ブリッジのミュート機構、そして2バンドイコライザーまで再現されたモデルです。
2バンドイコライザーならではのシンプルな操作性や、裏通しでしか出すことのできないボディの鳴り、豊かな倍音が魅力的なモデルです。

クラッシックスティングレイ4 を…
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スティングレイ4HS、HH

1ハムバッカーピックアップがスティングレイの大きな特徴となっていますが、さらに幅広いサウンドメイクを!という要望に応える形で登場したのが、リアにハムバッカー、フロントにシングルコイルを搭載したHS、そして2つのハムバッカーを搭載したHHです。
ピックアップが1つ増えるだけで見た目も操作性も激変します。ある程度スティングレイの特徴を知った上でなければサウンドメイクに悩んでしまうことになるかもしれません。
しかし、使いこなすことができれば、これまでのスティングレイをはるかに上回る幅広いサウンドメイクが可能となります。

BONGO

musicman-bongo

2003年に登場したBONGOは24フレット/4バンドEQ・18Vアクティブ・プリアンプ/2ハムバッカーというスペックの、プレイアビリティを追求して生み出されたラインナップ。

BONGOを…
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