現代のプレイヤーを刺激する新しいベース Fender Player Plus Meteora Bass[記事公開日]2022年3月28日
[最終更新日]2022年03月28日

Fender Player Plus Meteora Bass

これまでにない鮮やかなルックスとワンランク上の性能を併せ持つ「Player Plus」シリーズから、全く新しい「Meteora(メテオラ)Bass」がリリースされました。フェンダーらしからぬ雰囲気とフェンダーらしい音が共存しており、現代のプレイヤーを刺激する新しいベースとして期待されています。今回は、このニューモデル「Player Plus Meteora Bass」に注目していきましょう。


Exploring the Player Plus Meteora Bass Models | Player Plus | Fender
ファンキーにもアグレッシブにも行けそうな、太くて力強い音。

Player Plus Meteora Bass その特徴とは

Player Plus Meteora Bass

メテオラは新型のギターとして、2018年に発表されました。今回発表された「Player Plus METEORA Bass」はこれを受け継いだ、新型ながらどこか懐かしさを感じさせるいでたちのアクティブベースです。入門機Playerシリーズのアップグレード版「Player Plus」シリーズのフォーマットに従い、新しいピックアップと多機能な電気系を備え、個性的なカラーリングで仕上げられています。

木材構成は全機種共通で、現代のフェンダー標準ともいえるアルダーボディ、メイプルネック、指板はメイプルもしくはパーフェローです。今のところ、左用はリリースされていません。

ではこのメテオラベースには、どんな特徴があるのかを見ていきましょう。

現代の上位モデルにふさわしい新しい顔つき

Player Plus Meteora Bass:ボディ ステージでも動画でも写真でも映える、ビビッドなカラーリング。

Player Plusシリーズは「配信とライブの両面を意識した」と言われるだけに、ビビッドなメタリックや近年のフェンダーでは珍しいグラデーションカラーといった、思い切ったカラーリングが印象的です。落ち着いたカラーも選べる反面、定番のブラックやホワイトなどが非採用となっている点も含めて、カラーバリエーションには深いこだわりが伺えます。

「モダン系上位機種」を誇示するヘッドデザイン

Player Plus Meteora Bass:ヘッド

ヘッドはブランドロゴとモデル名を羽のような曲線が挟み込む、ギター版のメテオラと共通する意匠です。ヘッドロゴに金属シートを使うのは、モダン系最上位機種「アメリカン・ウルトラ」シリーズと同じ仕様です。今のところ、マッチングヘッドはありません。

新開発の専用ハムバッカー

Player Plus Meteora Bass:ピックアップ 音量のバランスを取るためであろう、リアがちょっとだけ大きめ。遂にフェンダーがレギュラーモデルで2ハムバッカー仕様のベースをリリースした。

フェンダーは世界的なギター/ベース/アンプメーカーであると同時に、世界的なピックアップのメーカーでもあります。それゆえ新製品には当たり前のように新しいピックアップが開発され、各モデルのアイデンティティを作り上げます。

メテオラベースに搭載されている「Fireball Bass Humbucking」は、メリハリのあるパンチとウネるような低音を持ち合わせ、クリアな高音域とほどよい中音域もある、バランスの取れたピックアップです。

機能性じゅうぶんの操作系

Player Plus Meteora Bass:コントロール ノブは左から順に、マスターボリューム、パンポット(バランサー)、高域&低域ブースト/カット、中域ブースト/カット。ミニスイッチはアクティブ/パッシブ切替。

006P乾電池を2個使用する18V仕様のプリアンプは、高域/低域/中域のブースト/カットが可能です。ミニスイッチはアクティブ/パッシブ切替(プリアンプの電源)です。パッシブ時はボリュームとパンポットのみの操作となります。

全ジャンル対応のネック

Player Plus Meteora Bass:ネック サテン仕上げのネック裏が鈍く光る。ネックジョイントにヒールカットはないが、バックコンター加工が施されている。また、乾電池2個分のバッテリーボックスが確認できる。

Playerシリーズのネックシェイプ「モダンC」は、Player Plusでも引き続き採用されています。程よい太さがあり、あらゆるスタイルの演奏に適しています。表面はサテン仕上げで、サラッサラの感触です。

ナット幅1.5″、指板R12″、弦長34″といったネック周りの寸法は同シリーズのジャズベースと同一で、トラッドなモデルよりはちょっとだけ幅広で、プレベほど太くないあたりです。指板のエッジはていねいに丸められており、ストレスのない運指が可能です。

上位モデルと同等のブリッジ

Player Plus Meteora Bass:ブリッジ

モダン系上位モデル御用達のブリッジ。

採用されている「HiMass」ブリッジは、肉厚なブリッジプレートと頑丈なブロックサドルとの組み合わせで高い安定性を誇ります。チューニングの安定、サスティンの確保、そして明瞭なサウンドを目指した性能重視の現代仕様で、「アメリカン・ウルトラ」や「メイドインジャパン・モダン」といったモダン系上位グレードに搭載されています。

王道のスタイルとの違いは?

メテオラの斬新なシェイプを、フェンダーの王道モデルと見比べてみましょう。

メテオラのボディはエンド側にやや延長されており、それに応じて操作系も移動しているのがわかりますね。1弦側のウェスト位置はジャズベースと同じですが、メテオラの方が深くなっています。大きなベースですが、抱えてみるとちょっと小さめに感じるわけです。メテオラのストラップピン位置は14フレット付近に来ていますが、これによりストラップの位置が変化し、立って弾く時にベースがより身体にフィットするようになります。

また、上の画像に印はありませんが、ネックの4弦側は3機種とも15フレット地点でボディに接続されているのが確認できます。全く新しいボディシェイプでではあっても、王道モデルとの共通点もあるわけです。特にジャズベースに慣れた人なら、メテオラは抵抗なく演奏できそうです。


以上、フェンダーの新機種「Meteora Bass」に注目していきました。全く新しいボディシェイプに相応しい、フェンダーではこれまでほぼ例のない2ハムバッカー仕様になっているところは注目に値します。また全く新しいシェイプながら王道モデルとの共通点もあり、普通のベースに慣れ親しんだ肉体が新しいシェイプのベースをすんなり受け入れる、という貴重な体験ができそうです。ぜひ実際にチェックしてみてください。