シェクターのエレキベースについて[記事公開日]2015年3月19日
[最終更新日]2021年06月18日

シェクターのエレキベース 左利きモデルも充実のシェクター・ベース

今や、エレキギター、ベースメーカーとしてシェクターの名前を知らない、という方はあまりいらっしゃらないでしょう。現在では、さまざまな楽器を製造・販売するメーカーとしてその名を知られていますが、元々シェクターはその名前をほとんど表に出すことはありませんでした。

シェクターは1970年代、アメリカのカリフォルニア州でリペアショップとして開業しました。小さなショップでしたので、ギターそのものを作るというわけではなく、ボディやネックなどパーツのみの生産が限界でした。つまり、シェクター本来、楽器そのものを作るのではなく、パーツだけを製造するメーカーの1つに過ぎなかったのです。そんなシェクターがどうして現在、これほどまでに大きく成長することができたのでしょう?ここでは特に、人気の高いベースにスポットライトを当ててお話してみたいと思います。

シェクター・ベースとは?

まず、シェクターがどうのようにして成長を遂げ、魅力的なベースを生み出すことができるようになったのかをご紹介します。

高品質なパーツの供給

冒頭でお話したとおり、シェクターはリペアショップ、そしてパーツの製造メーカーとしてスタートしました。小規模ではありましたが、今や世界でも有数のビルダーとして知られるトム・アンダーソンをはじめとする優秀なスタッフの力によって、高品質のパーツを製造し続けていました。

シェクターの作る良質なパーツはたちまち話題となり、フェンダー、ギブソンといった大メーカーにも供給されるようになります。
また、良質な楽器を作ろうとしている、カスタムメイド系の工房でもシェクターパーツは非常に高い評価を受け、好まれていました。

こうしてシェクターはエレキギター、エレキベースメーカーとしての基盤を築くことに成功しました。

シェクターブランド・オリジナルモデルの誕生

リペアショップ、パーツ製造で成功をおさめたシェクターは、1979年にはじめてのオリジナルエレキギターを世に出します。
すでに、エレキギターやエレキベースの製造に必要なすべてのパーツを製造していましたし、優秀なビルダーも抱えていましたので、すぐに高品質な楽器を作り出すことができました。

しかし、あまりに品質にこだわりすぎてしまったが故に、非常に高価になってしまったことから、この時点ではそれほど大きな成功をおさめることはできませんでした。

商業的には大きな成功を手に入れることができなかった反面、その品質の高さからザ・フーのピート・タウンゼントをはじめとする一部のトッププロ達の支持を集めることに成功します。

これが一種の「伝説」となったことにより、シェクター・ブランドの知名度は一気に高まりました。
そこから、何度か会社の形態は変化しましたが、現在のメジャーブランド・シェクターを繋がって行くことになりました。

シェクターのエレキギターについて – エレキギター博士

シェクター・ベースの特徴

モンスター・トーンピックアップ

基本的にシェクターはフェンダー系のジャズベースやプレシジョンベースのカスタムモデルを中心にラインナップしています。
ただし、シェクターの場合、他のカスタムモデルメーカーとは違い、ベースを構成するすべてのパーツを自社で製造することが可能ですので、オリジナルのアイデアを多く盛り込むことができました。

中でもシェクター・ベースのサウンドの核となるのが、モンスター・トーンピックアップと、アクティブイコライザーでしょう。
ノイズレスでレンジの広いピックアップに、アクティブイコライザーを組み合わせることによって、従来のフェンダー系ベースを大幅に上回る幅広い音作りを実現しています。

スタンダードなシェイプを採用しながらも、そのサウンドは完全にシェクターオリジナルのものとなっているのです。

ターゲットをさらに広げて

かつてのシェクターは非常に高価なモデルのみのラインナップとなっていましたので、アマチュアプレイヤーが気軽に手に入れることはできませんでした。

しかし1990年代の後半から、「ダイヤモンド・シリーズ」と呼ばれる低価格モデルをラインナップに加えています。人件費の安いアジアの工場で生産し、最終的なセットアップのみをアメリカのカスタムショップで行う、というスタイルを採用したことによって、低価格でありながら高品質な楽器を作ることが可能となりました。

ダイヤモンド・シリーズは世界中で大ヒットを記録し、より多くのギタリスト・ベーシストがシェクターブランドのハイレベルな楽器を手に入れることができるようになったのです。

シェクター・ベースを使用するベーシスト

どのようなベーシストにシェクター・ベースは使用されているのでしょう?その一部をご紹介したいと思います。

345


ここ数年で一気にスターの地位までのぼりつめた3ピースロックバンド、凛として時雨の345氏はシェクターのオリジナルモデルを使用しています。トラディッショナルなジャズベースにPJスタイルのピックアップが搭載されています。

AC-345-PJ-WH/SIG

schecter-ac-345

345氏のシグネイチャーモデル。アッシュ・ボディ/メイプル指板&ネック、ピックアップに Seymour Duncan S-PB-2/S-JB-2b 搭載、錆びにくいステンレス・フレットを採用したモデルです。21フレットと短めのスケールは女性でも持ちやすくなっています。

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人時


ヴィジュアル系ロックバンドとして90年代からカリスマ的な人気を集め続けている黒夢の人時のメインベースもまたシェクターのオリジナルモデルです。最大の特徴となるのは、プレシジョンベーススタイルのピックアップが2基という非常に珍しいピックアップレイアウトでしょう。

シェクター・ベースのラインナップ

それでは、シェクター・ベースのラインナップをご紹介しましょう。

CB-I

シェクター・ベース:CB-I

シェクターのもっとも得意とする、フェンダー・ジャズベース系のカスタムモデルです。伝統的なシェイプに、シェクターオリジナルのモンスター・トーンピックアップと、アクティブイコライザーを搭載することによって、シェクターらしい、高品位なサウンドを実現しています。

このシリーズには、トップ材に美しい木目のキルテッドメイプルを使用したカスタムモデルと、アッシュ材の単板ボディを採用したスタンダードモデルが用意されています。

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HELLRAISER EXTREME

shecter-hellraiser-extreme

  • 24フレット
  • スルーネック構造
  • EMG-HZ ピックアップ
  • 2バンドEQアクティブサーキット

というスペックで4弦5弦が用意された、メタル仕様ラインナップ。アバロンのバインディングにフィギュアド・メイプルトップと、ダークな雰囲気の中にも高級感漂うモデルです。

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スティレット

シェクター・ベース Stiletto 5弦、6弦、8弦モデルもラインナップ

小ぶりなオリジナルシェイプと、2基のハムバッカーが特徴的なスティレットは、へヴィロック、ミクスチャー系アーティストから高い支持を受けています。へヴィで重厚なサウンドが特徴となっています。

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ダイヤモンド・J

シェクター・ベース:Diamond J

ジャズベースのカスタムモデルとなっています。低価格なダイヤモンド・シリーズですが、オリジナルのモンスター・トーンピックアップと、アクティブイコライザーをしっかりと搭載しています。
非常にコストパフォーマンスの高いモデルとして、若いベーシストを中心に注目を集めています。

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小さなリペアショップであったシェクターが、これほどまでに大きく成長することができた最大の理由は、あくまで良い楽器を作り続ける、という信念を持っていたからかもしれません。
強い信念のもとで作られたシェクター・ベースはきっと、あなたの期待にも応えてくれることでしょう。

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