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スタインバーガーのエレキベースについて

スタインバーガーのエレキベース

スタインバーガーというメーカーの名前をご存じない方であっても、同社のエレキベース、エレキギターを目にすれば、見たことがある!と口にするのではないでしょうか?
スタインバーガーのエレキベース、エレキギターは、一目見れば忘れることができないほどの強烈なインパクトを持っています。

1970年代から80年代にかけて、すでに完成していたスタンダードなスタイルの楽器に対して、新しいアプローチをかけるメーカーが次々と登場しました。
その中でも、スタインバーガーは他メーカーをはるかに上回るインパクトを残しています。

そんなスタインバーガーについてお話してみたいと思います。

スタインバーガーとは?

それでは、まずはスタインバーガーというメーカーがどのように誕生し、どうしてあの個性的な楽器を生み出すことができたのかについてご紹介しましょう。

家具職人と若きベース製作家との出会い

spector-ns-1 Spector NS-1

スタインバーガーの創業者である、ネッド・スタインバーガーは、家具メーカーに勤めるデザイナー兼職人でした。楽器とはほとんど縁のない世界で働いていた彼が、楽器製作の世界に入ったのは1人のベース製作家との出会いがきっかけです。

そのベース製作家とは、モダンベースのルーツを作ったと呼ばれるスチュアート・スペクターでした。
楽器製作に興味を持ったスタインバーガーは、スペクターのために1本のエレキベースをデザインしました。それが後にスペクター社の代表機種となったNS-1、そしてNS-2でした。

NSモデルは発表されるやいなや、プロプレイヤーを中心とした多くのベーシストの注目を集め、またたく間に人気ベースの仲間入りを果たします。

これの成功がきっかけとなって、ネッド・スタインバーガーは本格的に楽器製作の道に進むことになりました。

ヘッドレス・ベースの誕生

スタインバーガー・ヘッド部分
ヘッド部分がないユニークな形状

スタインバーガーのエレキギターやエレキベースの最大の特徴となるのが、ヘッドレス仕様という点でしょう。それまで、弦楽器には弦巻が取り付けられたヘッドの存在は当たり前のものでした。おそらく、誰もヘッドのないエレキベース、というアイデアすら思いつかなかったのかもしれません。
もともと、楽器製作とはまったく別の世界でデザインをしていた彼だからこそ、このアイデアを思いつき、実際の形にすることができたのでしょう。

そもそも、どうして彼はヘッドレス・ベースを制作しようとしたのでしょう?
実は、ヘッドをなくすことには非常に大きなメリットがありました。ボディの大きさから考えると、ヘッドは非常に小さなものですので、ほとんどそのサウンドに影響することはない、と思われている方が大半だと思います。
しかし、小さなパーツであるとはいえ、弦が固定されている箇所ですので、ボディと同様に大きく共鳴しています。

アコースティック楽器の場合は、共鳴する箇所が多ければ多いほど、より大きなサウンドを出すことができますので、歓迎されるべきことかもしれません。
しかし、アンプによって音を増幅させる電気楽器においては、この共鳴が音の不安定さの原因となってしまうことも少なくありません。
複数の場所が共鳴していると、当然、音がぶつかり合うことになってしまいます。ポジションによって共鳴の仕方は変わり、そして音のぶつかり方も変化しますので、すべてのポジションで安定したサウンドを得ることが難しくなるのです。
これが、エレキベースやエレキギターにデットポイント(鳴りの悪いポジション)ができてしまう原因の1つです。

このことに気づいたスタインバーガーは、1979年にはじめてのヘッドレス・ベースとしてL2を制作しました。

steinberger-l2 カッタウェイがないL2

この最初期のL2ベースは、数人のプロベーシストに提供され、高い評価を得ました。その結果、80年代から本格的なメーカーとしてのスタインバーガーがスタートしました。

ヘッドレス・デザインだけではないスタインバーガーの特徴

最大の特徴は、前述のとおり、ヘッドレスデザインです。しかし、スタインバーガーのベースやギターは他にも多くの特徴を持っています。

その特徴の1つに、ネック材としてグラファイトとカーボンを混合した特殊素材が使用されている、という点でしょう。
エレキベースの場合、特にスケールが長い上に弦によってかかるテンションが強いことから、木製のネックは反ってしまい、その都度調整が必要となります。そこで、強固な新素材を使用することによって、反りを防ごうとしたのです。
ただ、特殊素材の使用には非常にコストがかかりますので、近年では大半のモデルで、樹脂や、カーボンによって強化されたメイプルネックが使用されています。

スタインバーガーを使用するアーティスト

それでは、スタインバーガーのエレキベースやエレキギターを使用するアーティストをご紹介してみたいと思います。

スティング


スタインバーガーといえば、真っ先にスティングを思い浮かべる、という方も少なくないでしょう。
スティングはポリス時代に、スタインバーガー・ベースをライブなどで頻繁に使用していました。非常にバランスの良いサウンドが、ポリスの音楽性やスティングのプレイスタイルにマッチしています。

アラン・ホールズワーズ


一方、スタインバーガー・ギターといえば、やはりアラン・ホールズワーズでしょう。
まさにスタインバーガーならではの安定したバランスの良いサウンドを奏でています。スタインバーガー・ギターのサウンド作りのお手本ともいうべき存在です。

スタインバーガーのラインナップ

スタインバーガーにはどんなモデルがラインナップされているのでしょう?

シナプスコレクション

steinberger bass synapse 上:XS-1FPA、中:XS-1FPA CUSTOM、下:XS-15FPA CUSTOM

エレキベース、エレキギターともに、現在のスタインバーガーのメインとなるシリーズがシナプスコレクションです。スタインバーガーの基本仕様を元に、サーキットの一部をより近代的なものへと変更しています。

エレキベース、エレキギターのそれぞれに複数のモデルが用意されており、ベースの場合はピエゾピックアップを搭載したモデルや、5弦仕様のモデルなども揃っています。

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スピリットコレクション

基本的なデザインや、主な使用はそのままに高いコストパフォーマンスを実現している廉価シリーズがスピリットコレクションです。

こちらも、シナプスコレクションと同様に、エレキベース、エレキギターの両方にさまざまなスペック、価格帯のものが用意されています。
あまりに個性的なデザインから、初心者にはあまり向かない楽器なのかも…と思われるかもしれませんが、とても素直でプレイアビリティも高いですので、これからエレキベースやエレキギターをはじめる、という方におすすめすることができます。

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あまりにも個性的すぎるデザインから、スタインバーガーは色物扱いを受けてしまうことも少なくありません。より良いサウンドはプレイアビリティを求めた結果として、個性的なデザインは誕生したのです。
そう考えると、少しイメージが変わってしまった、という方も多いのではないでしょうか?