ベーシストにとってエフェクターってどんなものでしょうか?ギタリストに比べると使用頻度は少ないかもしれませんが、やはり興味はあるし、使いこなせたらかっこいいですよね。そこで今回はベーシストにとってのエフェクターの選び方について書いてみたいと思います。
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1: ベースにエフェクターは必要? 1.1: ギター用とベース用のエフェクターは違う? 2: ベースによく使われるエフェクター 2.1: プリアンプ/DI 2.2: ディストーション/オーバードライブ 2.3: コンプレッサー 2.4: コーラス 2.5: オートワウ/フィルター 2.6: ベース用マルチエフェクター 3: ベース用エフェクターをリリースするブランド
まず、エフェクターとはどんなものでしょうか?その名の通り、ベースやギターの音に何らかのエフェクト(効果)を加えるものです。そしてこの効果は様々ですが、大別すると、
の2つに分けられます。ではそれぞれについてベースに必要かどうか考えてみましょう。
まず、音色を「変化」させるエフェクターについてです。これは様々な音色で楽曲を彩る役割を担うギターには必要といえますが、シンプルにボトムを支える役割を担うベースには必ずしも必要ではないでしょう。もちろん使ってはいけないということではありません。むしろ使われることが少ない分ここぞという場面でうまく使えばとても効果的なものとなるでしょう。
つぎに「補正」タイプのエフェクターについて。こちらは楽器の音色自体に大きな変化はないものなので、ベースにも使いやすいといえるでしょう。ただ、もちろん必ず使わなくてはいけないものではないです。
これは他の機材にもいえることですが、ギター用とベース用のエフェクターは基本的には同じものなので、ギター用のものをベースに使っても効果は得られます。が、ベース用に作られたエフェクターは低音域へのエフェクトの掛かり具合がよくなっていたり、音の太さを失われにくく設計されています。やはり最初はベース用のエフェクターを使うのが無難でしょう。
ベースによく使われるエフェクターには以下のようなものがあります。
TDC-YOU Bass Driver Barry Sparks
プリアンプはライブ/Recで活躍する
楽器そのものの音量を調整したり、低音・中音・高音など帯域ごとの音量調整をするなど、音を整える役割のエフェクターです。アンプのツマミの部分が、エフェクターとして独立していると思ってもらうとわかりやすいかもしれません。さらにPA卓へ音声信号を送るためのDIという機能も持っているものも多いです。
このエフェクターであらかじめ好みの音を作っておくと、スタジオやライブハウスに置いてあるアンプがどんなものであろうと、いつもの音が出しやすくなります。またライブハウスでは、ベースの音はベースアンプより手前の段階でPA卓に送られていることが多く、アンプで作った音はお客さんの耳にはほとんど届いていないのです。この場合もプリアンプで音を作っておけば、自分の意図した音に近いものをお客さんにも聴いてもらう事ができます。
ロックギターには必要不可欠な、歪んだ音色を作るエフェクターです。音声信号がアンプなどへ過大入力して、歪んでしまっている状態を意図的に作り出しています。ベースで用いる場合、派手に歪ませてギター顔負けのソロを弾いてももちろんいいですし、軽く歪ませてバンド全体の音に厚みを出したり、バンドとの音の混ざりをよくしたりという使い方もできます。
本来、「オーバードライブ」とはアンプへ信号が過大入力をしている状態を指し、「ディストーション」とは歪みそのものを指す言葉ですが、エフェクターの世界ではオーバードライブより過激な歪みをディストーションと呼ぶことが多いようです。ちなみにさらに歪んだ状態を得られるエフェクターはファズと呼ばれます。前述のプリアンプに歪み系のエフェクターが搭載されているものも多いです。
ベースはビリー・シーン。もはや説明不要の超絶ベーシストですね。この動画も、音もフレーズも完全にギターです。
コンプレッサーは小さい音を持ち上げて大きく、大きい音を潰して小さくと音を圧縮し粒を揃えるエフェクターです。圧縮されることにより同じ音量の音が持続することになり、サスティーン(音の伸び)も長く聴こえるようになります。スラップ奏法などの際には定番ですね。とても便利なエフェクターですが、強くかけすぎると音抜けが悪くなったり、細かいニュアンスが失われてしまうこともあるので注意が必要です。エフェクトの性質上、かけていると上手くなったように聞こえるので、慣れると危険です。一人での練習のときなどには極力使わないようにしましょう。
似たような効果のエフェクターにリミッターというものがありますが、こちらは一定以上の大きい音だけを潰して小さくする効果になります。
コーラスはその名の通り、ベースの音にコーラスのような厚みと奥行き感をもたせるエフェクターです。音程やタイミングを微妙にずらした音を原音と同時に鳴らし、このような効果を得ます。ベースでメロディーやソロを弾く場合やゆったりした曲で使用したり、小編成での演奏時に音に厚みを出す目的で使われます。
オートワウやフィルターは、「ミョンミョン」といった擬音で表現される独特な音色のエフェクターです。アタックの瞬間は高音域が強調され、次第に強調される帯域が中音域へ変化していくことでこのような独特な音色が得られます。ベースにおいてはとくにファンクミュージックなどで使われることが多いです。ちなみにワウペダルというエフェクターは、足元のペダル操作により強調される帯域が変化するものです。
ベースはブーツィー・コリンズ。ジェイムス・ブラウンのバンドにも在籍した、ファンクの化身ともいうべきベーシストです。オートワウサウンドは彼の代名詞にもなっており、この動画でも冒頭からミョンミョンいってます。8:00あたりからは過激に歪んだサウンドも聴けますね。
ギター用オートワウの定番であるBOSSの「AW3」ですが、「ベース用インプット」を搭載しているため、エレキベースでも使用することができます。ピッキングに対する反応がとても良く、「シンセベース」のようなサウンドを作り出すことも可能です。
BOSS Dynamic Wah AW-3 – Supernice!エフェクター
ファンクを演奏するベーシストに欠かせないオートワウがEBSの「BASSIQ」です。「THRESHOLD」や「ATACK」といったツマミに3つのモードを選べるスイッチを搭載しています。
モードに関しては、高〜超高音域に深くエフェクトを掛ける「HI-Qモード」、中〜高音域にエフェクトを掛ける「UPモード」、アタック感が無くなる(潰れたサウンドになる)「LOWモード」があります。どのモードも個性が強く、使いこなすにはそれなりの経験が必要になるでしょう。中〜上級者に人気のある機種です。
EBS BASSIQ – Supernice!エフェクター
MXRのベース用エンベロープフィルターが「Bass Envelope Filter」です。ファンキーなベースサウンドを作りたい方にオススメです。DRCAYやQなどのツマミを操作して音作りを行いますが、上記のBASSIQ同様、使いこなすには慣れが必要です。原音とエフェクト音のバランス調整を、ツマミ1つで可能にしているのも魅力です。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのベーシスト「フリー」や「T.M.スティーヴンス」などが頻繁に使用しています。
MXR M-82 BASS ENVELOPE FILTER – Supernice!エフェクター
ベース用マルチ:TECH21 BASS FLY RIG
上記のものをはじめとする様々なエフェクターが1台に収められたものがマルチエフェクターです。単体のエフェクターはベースの音色をアナログ的に変化させているのに対し、マルチエフェクターではデジタル的に変化させています。それゆえ音色もデジタルっぽい味気ないものになってしまうという欠点がありますが、近年のものはこれもかなり改良されてきているようです。エフェクターに興味はあるけど、何を使っていいかわからないという方はまずマルチエフェクターを手に入れていろいろ試してみるのもいいのではないでしょうか。
おすすめのベース用マルチエフェクター – Supernice!エフェクター
おすすめのベース用エフェクターをいくつかピックアップしてみましたが、上記紹介したもの以外にも人気の高いベース用エフェクターは存在します。以下ベース専用にエフェクターをリリースするブランドをいくつか紹介しますので、参考にしてみて下さい。
いかがでしょうか?基本的には、「こんな音が出したい」とイメージがあった上でエフェクターを選ぶのが選びやすいと思いますが、遊びでいろいろなエフェクターを使っているうちに、思わぬ面白い音が出たり、それに刺激されて新しいフレーズが思い浮かぶという場合もあります。例えばギター用としてリリースされているペダルを使っているベーシストも少なからず存在します。先入観にとらわれずにいろいろ試してみてください。
ベース用エフェクターの人気モデル – SuperNice!エフェクター