ギター同様に、ベースも左手にてフレットで区切られたポイントを押さえることにより、出音の音程を決定します。注意する点としては、無理なくしっかりとした押さえ方をすること。これを怠ると、ちゃんとサスティンを得られない、あるいは音程がずれてしまう、弾きづらい、怪我をしやすいなど、たくさんのデメリットがあります。特に腱鞘炎などの怪我は、最悪の場合には完治しにくいケースもあり、演奏を楽しむ妨げになります。そのため、無理なくしっかり押さえるフォームを常に心がけるようにしましょう。
弦の押さえ方の例
ポイント1. 基本的なフォーム
人差し指から小指までの指を立てて、親指と力のバランスをとり、ネックを挟む格好でネックを握るフォームです。
基本フォーム
ポイント2. ネックを握りこむフォーム
親指側を低音弦側にまわし、ネックを握り込みます。常に弦の上に指を置く格好になるため、低音弦側の不要な音をミュートする効果があります。但し、指の動き(特に弦から弦への移動)には制約が出来るため、速い動きを伴うフレーズを弾くのは難しくなります。
ネックを握り込むフォーム
注意点
ポイント1. ネック上の押さえるポジション
フレットとフレットの間で、発音する音程のフレットに近いポイントを押さえます。正しいフォーム作りとともに、正しい位置を押さえることを常に意識してください。弦高のセッティングにもよりますが、ポイントがずれると、豊かなサスティンが得られないばかりか、音がビビッてしまい発音できない場合もあります。特にフレットレスベースをプレーする場合には、正しい音程を得るためには重要なポイントですので、日ごろより出音を確認しながら、正しい音程を意識して練習してください。
正しいポイント
【誤ったポイント】左:ポイントがフレット中間、右:ポイントがフレットの上
※人差し指の位置に注意してください。
ポイント2. 怪我に対するケア
注意しなければならないのは、ネックを握るための力を入れすぎないこと。特にギターと比較し、ベースは弦の張力も強いため、つい力をグッと込めて握りこんでしまいがちですが、余計な力を入れすぎると、ポジションを押さえる指の関節が伸び、腱鞘炎などの怪我を起こす可能性があります。まず絶対に無理はしないこと、そして常に楽に弾けるフォームを意識することが大事です。
【誤ったフォーム】左:左手、第一関節が伸びている、右:左手、指関節が全部伸びている
また右手同様、左手もストラップの長さで弾きやすさに影響します。ベースが低い位置にあると、基本的なフォームをとることができません。また、正しいポジションに指を置くことも難しくなります。無理をすれば手首に負担を掛け、怪我をする恐れもありますので、ベースの位置と弾き方は自分で試して、無理のない最適な位置を確認するようにしてください。
誤ったフォーム:ベースが低すぎて、手首に負担が掛かる
弦楽器奏法の応用
Jazz系のプレーヤーで、コントラバスの運指方法をエレキベースに利用する方もいます。これは基本的には人差し指、中指、薬指+小指(2本で一本:中指の薬指は隣接しますが、小指の押弦を薬指で補助します)という3ポジションで弦を押さえるもので、エレキベースよりも長い歴史の中で洗練されており、無理な力を掛けずにスムーズな運指を行うことを徹底的に追求した奏法です。機会があれば、クラッシック系の楽器レッスンなどを受けてみることをお勧めします。
コントラバスの押弦フォーム
ウォームアップ
指を立てるフォームは、実は普段の生活ではあまり行わない形です。その為、ベースを弾き始める前に指のストレッチなどを行い、十分なウォームアップを行うことをお勧めします。怪我の防止だけでなく、スムーズな運指を行うことに対しても効果的です。
ストレッチの例
撮影モデル:MAI(Disqualia)
協力:ESP
撮影:ヨコマキミヨ
ベースの売れ筋を…