Sugi Guitars:2017サウンドメッセ展示モデル
一般的なエレキベースは弦が4本ですが、中には5本以上の弦が張られたベースも存在します。こういった楽器を多弦ベースと呼びます。当記事ではこの多弦ベースの特徴や魅力に迫っていきます。
BABY METAL-Ijime,Dame,Zettai-Live at sonisphere 2014,UK(OFFICIAL)
ベースはBOH。シグネイチャーモデルであるアトリエZの6弦ベースを操るテクニカルベーシストです。
多弦ベースの中でもっともポピュラーなのは5弦ベースです。4弦ベースより低い音の出る弦が追加された5弦ベースが一般的で、これはもはや4弦ベースと並ぶベースのスタンダード仕様といっても過言ではないかもしれません。続いてよく見られるのが6弦ベースで、5弦ベースにさらに高音弦を加えたものが一般的です。こちらも5弦ほどではないですがポピュラーです。
この他にも、4弦ベースに高音弦の追加された5弦や7弦以上のベースなど、様々な多弦ベースが存在しますが、いずれもオーダーメード等で作られる場合が多く、楽器店の店頭等で目にすることはあまりないでしょう。また、複弦ベースと呼ばれる、4弦ベースや5弦ベースの各弦に1オクターブ上のサブ弦のついたベースもあります。
通常の4弦ベースのチューニングは低音弦からE-A-D-Gというチューニングで、隣り合った2本の弦の音程は、低音弦の5フレットと高音弦の開放(0フレット)が同じという関係になっています。この音程関係は4度と呼ばれます。一般的な5弦・6弦ベースも、この4度音程のチューニングになっています。
具体的には5弦ベースのチューニングは低音弦からB-E-A-D-G、6弦ベースのチューニングは低音弦からB-E-A-D-G-Cとなります。ちなみに5弦・6弦ベースの最低音弦をLow-B弦、6弦ベースの最高音弦をHigh-C弦という名前で呼ぶことがあります。
7弦以上の多弦ベースでも同様の4度チューニングで6弦ベースからさらに高音弦が追加されることが多いです。
Stevie Wonder “AS” Live at Java Jazz Festival 2012
ベースはネイザン・ワッツ。5弦ベースを弾いています。スティービー・ワンダーの楽曲はレコーディングではシンセベースを用いられていることが多く、これをライブで再現するのに5弦ベースは必要不可欠です。
世界初の5弦ベースはフェンダー社が1965年に発売したフェンダー・ベースVだといわれています。このベースはLow-B弦ではなくHigh-C弦が追加される仕様(E-A-D-G-C)となっていました。このベースVは一般に広まることはなく、1970年に製造が中止されました。その後、1970年代後半にスタジオミュージシャンたちの間でLow-B仕様の5弦ベースが使われるようになってきます。これにはシンセベースの普及に伴い、エレキベースにも更なる低音が要求されるようになってきたことが理由の1つとして挙げられます。
一方、6弦ベースも世界初のものはフェンダー社によって作られています。1961年に発売されたフェンダー・ベースⅥと呼ばれる楽器がそれです。この楽器はギターの1オクターブ下のチューニング(E-A-D-G-B-E)になっており、ベーシスト向けというよりは、ギタリストが違和感なくベースの音域を演奏するという意味合いの強い楽器でした。現代でも一般的なLow-B・High-C仕様の6弦ベースは1970年代後半にケン・スミス社が始めて完成させました。
このように1970年代後半に誕生した多弦ベースですが、当初はプロミュージシャンを中心とした1部の限られたプレーヤーのみが演奏しており、一般的な楽器とは言えませんでした。が、1980年代以降次第にポピュラーな楽器として広まっていくようになります。この主な理由には、楽器の製作技術の向上により比較的安価な多弦ベースが登場してきたことが挙げられます。また、楽器だけでなくアンプの性能も向上し、レンジの広い多弦ベースの音を問題なく再生できるアンプが手に入りやすくなったことも理由の1つでしょう。
多弦ベースのメリットとしてまず挙げられるのは、やはり音域でしょう。Low-B弦が追加された5弦ベースの場合、4弦ベースと比較して広がる音域は低音方向に半音5つ分です。思ったほど広がらないと感じるかもしれませんが、5弦4フレットのE♭の音や、5弦3フレットのDの音は、様々な楽曲において利用頻度の高い音で、この2音を鳴らせるだけでも5弦ベースを使う価値があるのではないでしょうか。一方、Low-B弦・High-C弦が追加された6弦ベースでは、低音・高音それぞれに半音5つ分、合計で半音10つ分音域が広がります。
ちなみに5弦・6弦ベースの最低音は、グランドピアノのそれとほぼ同じで、他の楽器を見てもこれより低い音域の出る楽器はほとんどありません。このあたりの音域が音楽的に使える最も低い音域ということでしょう。
また、弦が増えることにより狭いポジショニングで広い音域を演奏できるのも多弦ベースのメリットの1つです。例えばGメジャースケールを2オクターブ分演奏する場合、4弦ベースでは4弦3フレットから1弦12フレットまで使う必要がありますが、5弦ベースの場合5弦8フレットにもG音が存在するので、5弦8フレットから1弦12フレットという比較的狭い範囲で演奏できます。
Chaka Funny Valentine
ベースはメルビン・デイビス。ハイエンドブランド、ケンスミスの7弦ベース(チューニングはB-E-A-G-C-F)を使っています。7弦ならではの高音域を生かしたメロディアスなソロが非常に美しいですね。
多弦ベースのデメリットとしては、余計な弦を鳴らさないためのミュートが難しくなることが挙げられます。とくに左手でのミュートが主になるスラップ奏法やピック弾きにおいては弦が増えることによる影響が大きくなります。逆にいえば、右手もミュートに使える2フィンガー奏法においては、親指の置き場所等を工夫することにより比較的容易にミュートすることができます。
またネックの幅もデメリットとして挙げられます。4弦ベースと同程度のピッチ(弦と弦の感覚)を確保しようとすると、当然ネックの幅が広くなり、前述のミュートの問題や重量の問題が発生してきます。逆に4弦ベースよりピッチを狭くしネックを細くした楽器は、一見演奏しやすそうですが、スラップのプルの指が入り込みにくい、4弦と持ち替えたときに違和感が発生する、などが問題となります。
ハイエンドベースブランドのトバイアスとエピフォンのコラボレーションによって生まれた5弦ベースです。トバイアスオリジナルデザインのボディシェイプが特徴的です。3万を切る実売価格ながらアクティブサーキットも搭載されており、かなりのハイコストパフォーマンスモデルとなっています。
Epiphone Toby Deluxe-V Bassを…
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Vintage Modified Jazz Bass V
フェンダーの傘下ブランドであるスクワイアの5弦ジャズベースです。アルダーボディ、メイプルネック、ローズウッド指板など、とてもオーソドックスな作りになっているため、5弦ベースの入門モデルとして最適です。
Squier by Fender Jazz Bass Vを…
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スターリンによるスティングレイタイプのモデルであるRayの5弦ベースです。ハムバッキングピックアップと2バンドのアクティブイコラーザーによるパワフルな出音は、まさにスティグレイといったサウンドです。
Sterling Ray 5を…
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ヤマハのパッシブベースの名シリーズ「BB」のハイコストパフォーマンス5弦モデルです。アルダーボディ、メイプルネック、ローズウッド指板といった使用は「BB」シリーズ上位モデルより継承されています。PJタイプのピックアップ配置になっており、コントロールは2ボリューム・1トーンが採用されています。
YAMAHA BB235を…
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DIRTY LOOPS-Hit Me
ベースはヘンリック・リンダー。6弦ベースを使用しています。スラップや高音域のコード弾き等様々なテクニックがちりばめられたベースラインになっています。
バッカスによるジャズベースタイプの5弦ベースです。35インチという通常に比べ若干長いスケール(弦長)が採用されており、緩くなりがちなLow-B弦のテンションもしっかり確保できます。ピックアップフェンスが付属されているのも、スラップ派にはうれしいですね。
Bacchus WL-535を…
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ワーウィックの中国生産によるハイコストパフォーマンスシリーズ「ロックベース」のコルベットモデルの5弦ベースです。2バンドのオリジナルアクティブイコラーザーと本家ドイツのワーウィックと同様のMECピックアップJタイプが搭載されています。
Warwick RockBass Corvette Basic 5を…
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グラスルーツのハイコストパフォーマンスな6弦ベースです。低価格ながらスルーネック、3バンドアクティブイコライザーの採用などハイエンドベースさながらの仕様となっています。
GrassRoots G-D6-85を…
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シェクターのダイアモンドシリーズの6弦ベースです。24フレット、35インチスケールが採用されています。ピックアップにはEMG のHZが搭載されています。18Vの2バンドアクティブイコライザーにより幅広い音作りが可能となります。
SCHECTER AD-SL-CTM-6を…
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ヤマハの定番シリーズ「TRB」の5弦ベースです。35インチのスーパーロングスケールが採用されています。ボディ材はアルダーが用いられていますが、トップ材に木目の美しいキルテッドメイプルが重ねられたラミネートボディとなっています。
YAMAHA TRB1005Jを…
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G&Lの人気モデル「L-2000」の5弦ベースです。ハムバッキングタイプのピックアップが2基搭載されており、それぞれのピックアップをボリューム・スイッチ等で調整することで、ジャズベース・スティングレイなど様々なモデルのピックアップ配置を再現できます。
G&L Tribute Series L-2500を…
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エレキベースの元祖フェンダーの5弦ジャズベースです。2基の5Noiselessピックアップと3バンドののアクティブイコライザーを搭載しており、多彩な音作りが可能です。
Fender Deluxe Active Jazz Bass Vを…
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アイバニーズの、個性的なモデルを多数生み出している「Bass Workshop」シリーズの6弦ベースです。ファンドフレットと呼ばれる、斜めになった独特のフレット配置が目を引きます。低音弦は長く、高音弦は短くと、各弦のスケールが違っていることで、このようなフレット配置になるのです。このスケールの違いにより、各弦のテンション感を統一させることができます。
Ibanez SRFF806を…
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モモセらしい王道ヴィンテージジャズベスタイルの5弦ベースです。パッシブならではの音の減衰感と、引き締まったLow-B弦のサウンドを持ち合わせています。弦の裏通しも可能なブリッジが採用されています。
STR GUITARSのリーズナブルなシリーズである「Sierra Series」の5弦ベースです。シングルカッタウェイのボディ形状が特徴的です。Aguilar OBP-3 プリアンプとデュアルコイルハムバッカーピックアップの組み合わせで幅広い音作りが可能です。
STR GUITARS Sierra Series SC5を…
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ESPの海外仕様ブランド「LTD」の5弦ベースです。5弦が37インチ、1弦が34インチのマルチスケールになっており、このことからフレットもファンドフレットの仕様となっています。オリジナルの3バンドアクティブイコライザーの搭載により多彩な音作りが可能となります。
LTD B-1005SE MULTI-SCALEを…
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Tetsuo Sakurai “The Invisible Way” Live at Java Jazz Festival 2005
ベースは桜井哲夫。ヤマハの6弦ベースを使用しています。彼はかなり早い時期から5弦ベースや6弦ベースを使っており、日本における多弦ベースのパイオニア的なベーシストのひとりです。
国産ブランドフジゲンの5弦ベースです。基本的にはジャズベタイプの仕様となっていますが、コンパクトなボディシェイプを採用し、プレイアビリティをより向上させています。フレットにはフジゲンならではのサークルフレッティングシステムが採用されています。
FUJIGEN EMJ5-AL-Rを…
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フェンダーの人気シリーズ「アメリカンスタンダード」を引き継ぐ、「アメリカンプロフェッショナル」シリーズの5弦プレシジョンベースです。アルダーボディ、メイプルネックという王道仕様ながら、最新のブリッジやピックアップを採用するなど現代的な面も持ち合わせています。
Fender American Professional Precision Bass Vを…
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LAにて日本人が立ち上げたブランド「エキゾチック」のジャズベタイプの6弦ベースです。高品質のオリジナルプリアンプにより、ヴィンテージからモダンまで幅広いサウンドの得られるオールマイティなモデルです。HRIと呼ばれるエキゾチック独自の技術により、シングルコイルながらハムバッカーのようなノイズの少なさを実現しています。
Xotic XJ-1 T 6を…
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フェンダーの最新仕様の5弦ジャズベースです。18Vの3バンドアクティブイコライザーにより、伝統的なジャズベサウンドから現代的なサウンドまで、多彩にサウンドメイクできます。弦の表通しと裏通しを自由に選択できるHiMassヴィンテージブリッジが採用されています。