Ibanez Artcore Bass AGB205-DVS
エレキベースのボディは、ジャズベースやプレシジョンベースなどに見られるような、空洞のない構造が一般的です。このボディはソリッドボディと呼ばれます。が、中にはアコースティックギターやウッドベースのような、ホロウボディと呼ばれる空洞のあるボディを持つベースも存在します。このようなベースはセミアコースティックベースと呼ばれます。今回はこのセミアコースティックベースに焦点を当てて、その特徴などを紹介していきます。
The Jimi Hendrix Experience-Hey Joe(Official Audio)
ベースはノエル・レディング。ジミ・ヘンドリックスのバンド「エクスペリエンス」のベーシストです。メインの楽器はフェンダージャズベースですが、この動画のようにギブソンEB-2なども弾いていました。
セミアコースティック(略してセミアコといわれます)とは、もともとエレキギターにおいて使われていた言葉で、箱状のホロウボディのギターのうち、ボディの中心部分にセンターブロックといわれる材が配置されたものを指します。つまりボディの中心部分がソリッド、両サイドがホロウになっているのです。これに対し、完全なホロウボディのギターはフルアコースティック(フルアコ)と呼ばれます。
さらにセミアコ・フルアコギターと、いわゆるアコースティックギターの違いですが、アコースティックギターが生音を想定した楽器なのに対し、セミアコ・フルアコは電気による増幅を前提にした楽器ということです。つまり、少し紛らわしいですがセミアコ・フルアコはエレキギターなのです。
ではセミアコースティックベースとはどんなものでしょうか?基本的にはギターと同様に捉えればいいのですが、完全なホロウボディのベースもフルアコースティックベースとはあまり呼ばれず、セミアコ・フルアコの違いが少しあいまいなものとなっています。そこで当記事ではホロウボディを持ったエレキベースを、セミアコスティックベースとして扱っていきます。
ソリッドギター/フルアコ/セミアコの違いについて – エレキギター博士
メリットとしてまず挙がるのは、やはりその音色でしょう。弦の音がボディに共鳴するいわゆる箱鳴り感のある音は、ソリッドボディの楽器では得られないでしょう。また、ボディが空洞のため重量が軽いこともメリットの1つです。
一方のデメリットですが、まずはハウリングしやすいことが挙げられます。このハウリングは、アンプ等から出る音がボディの空洞部分で共鳴することが原因で発生するため、ソリッドボディの楽器と比較して大きな音量も出しにくくなります。また、楽器全体の重量バランスにより、演奏中にヘッドが下がってきてしまういわゆるヘッド落ちが起きやすいこともデメリットとなります。ホロウ構造の軽いボディにソリッドボディのベースと同じようなネックが取り付けられるため、重心がネック寄りになった重量バランスとなってしまうんです。
Thundercat-Them Changes-Later…with Jools Holland-BBC Two
ベースはサンダーキャット。アイバニーズの唯一のセミアコシリーズであるArtcoreシリーズのベースを弾いています。彼は、超絶テクニックとエフェクターを多用した多彩な音色で、近年もっとも注目されているベーシストのひとりです。
1958年にギブソン社からリリースされました。その機種名からもわかるように、ギブソンの2モデル目のエレキベースです。ボディデザインは、世界初のセミアコースティックギターであるES-335を踏襲しています。ボディ内部もES-335と同様のセンターブロックのあるセミアコタイプです。ピックアップはハムバッカータイプが1基搭載されており、ネックはショートスケールが採用されています。のちに2ピックアップタイプのEB‐2Dも作られています。
ギブソンEBベースについて
通称バイオリンベース。ポール・マッカートニーがデビュー前から愛用していることで有名です。1956年にドイツのヘフナー社からリリースされました。小ぶりかつ軽量なボディでネックもショートスケールとなっており、小柄な方でも扱いやすいです。ボディ内部にセンターブロックのないいわゆるフルアコタイプのボディになっています。コントロールが独特で、rhythm/soloの切り替えスイッチと、2つのピックアップそれぞれにに対応したボリュームとon/offスイッチが搭載されています。rhythm/soloの切り替えスイッチはトーンツマミと同じような役割を果たしており、rhythmではトーンを絞った状態、soloではフルの状態となります。
Jet(Live on Later…With Jools Holland,2010)
ベースはポール・マッカートニー。元ビートルズの・・・という説明は不要の、世界一有名なベーシストですね。彼はヘフナーの500-1(通称バイオリンベース)を長年愛用しています。
ギブソンの傘下ブランド「エピフォン」のセミアコースティックベースです。バイオリンベースタイプのベースといって差し支えないと思いますが、こちらはビオラベースの名がつけられています。2つのハムバッキングピックアップが搭載されており、コントロールは2ボリューム、1トーンというシンプルなものになっています。ボディー・ネックにはエボニー、指板にはローズウッドがそれぞれ採用されています。ショートスケールと軽量ボディにより、取り回しに優れたモデルになっています。
Epiphone Viola Bass VSを…
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ヘフナーバイオリンベースのアジア製ハイコストパフォーマンスモデルです。ショートスケール・センターブロックのないフルアコタイプのボディ・2つのボリュームと3つのスイッチで構成される独特のコントロールなど、廉価ながら仕様は高級モデルと遜色ないものとなっています。材は、ボディのトップにスプルース、ボディのサイドとバックにはメイプル、指板にはローズウッドがそれぞれ採用されています。左利き用のモデルが一般的に流通しているのもポールが愛用したバイオリンベースならではでしょう。
Hofner IGNITION BASSを…
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ジェファーソン・エアプレイン等で活躍した名ベーシスト、ジャック・キャサディのシグネイチャーモデルです。ストーンローゼスのベーシストのマニもこのベースを愛用しています。ボディ構造はセンターブロックのあるセミアコタイプになっており、ネックは34インチのロングスケールが採用されています。ピックアップには、このモデル専用のJCB-1ロウインピーダンスピックアップが搭載されており、高出力かつナチュラルなサウンドを生み出します。コントロールは1ボリューム・1トーンの他に3ポジショントーンスイッチと呼ばれる音色切り替えスイッチが搭載されています。ボディ材にはメイプル、指板にはローズウッドが採用されています。
Epiphone Jack Casady Signature Bassを…
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Framus社のスターベースを復活させたワーウィックのスターベースⅡ。その廉価モデルが当機です。2つのシングルコイルピックアップには、それぞれに対応するボリューム・トーンのツマミが搭載されており、独立してコントロールすることが可能です。このほかに3wayトーンコントロールスイッチも搭載されています。スケールは32インチのミディアムスケールとなっています。ボディ・ネック材にはメイプル、指板にはローズウッドがそれぞれ採用されています。同価格帯に5弦モデルもラインナップされており、そちらは34インチのロングスケールになっています。
Warwick Starbassを…
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アイバニーズのセミアコベースシリーズ「AGB」のベースです。暖かみのある中低音域が特徴の、Ibanez ACBHハムバッキングピックアップが2基搭載されており、コントロールは1ボリューム・1トーンとピックアップの切り替えスイッチにとなっています。マホガニーとメイプルにより構成されている3ピースネックは、ショートスケールが採用されています。ボディ材はメイプル、指板材はローズウッドとなっています。ブリッジに右手を置いて演奏したときのストレスを軽減するため、手が当たる部分が丸みを帯びたGibraltarⅢブリッジが搭載されています。同価格帯に5弦モデルのAGB205もラインナップされています。
Ibanez AGB-200を…
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The Epiphone Jack Casady 20th Anniversary Bass
ベースはジャック・キャサディ。日本での知名度はそれほど高くありませんが、現代最高峰のベーシストのひとりであるアンソニー・ジャクソンが影響を受けたことを公言するなど、高い実力と個性を併せ持つベーシストです。この動画では、エピフォンから販売されているシグネイチャーモデルを、自ら演奏・解説しています。
ジャズベやプレベなどソリッドボディのイメージの強いフェンダーによるホロウボディのベース「Coronado Bass」の復刻モデルです。Coronadoとはフェンダー社が製造するホロウボディのギターとベースに共通して使われたモデル名です。ボディ・ネックにはメイプル、指板にはローズウッドが採用されています。ボディ構造は、アルダー材のセンターブロックの入ったセミアコタイプになっています。ネックは30インチのショートスケールになっています。Fideli’Tronと名づけられた2つのハムバッキングピックアップには、それぞれに対応するボリューム・トーンのツマミが搭載されており、独立してコントロールすることが可能です。
Fender Coronado Bassを…
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ヘフナーのアジア製造シリーズの中でも、本国ドイツの楽器に限りなく近いクオリティーを持つのが「HCT」シリーズです。この500/2モデル(通称クラブベース)は、バイオリンベースより一回り大きなボディシェイプを持っています。ボディ材は、トップ・バックにスプルース、サイドにメイプルが使われています。ネックはメイプルとバーチによる3ピースとなっています。ボディ構造はスプルースによるセンターブロックの入ったセミアコタイプです。ショートスケールのネックや、2つのボリュームと3つのスイッチで構成される独特のコントロールはバイオリンベースと同様です。同じ「HCT」シリーズのバイオリンベース(500/1)も同価格帯にラインナップされています。
Hofner HCT 500/2 Club Bassを…
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1967年にリリースされ、様々なプレーヤーに愛用された「Starfire BassⅡ」の復刻モデルです。ボディはマホガニー、ネックはメイプルとマホガニーの3ピース、指板はローズウッドでそれぞれこうせいされています。オリジナルのモデルに搭載されていたDark Starピックアップは現在入手困難となっていますが、復刻モデルには、これと同じ抵抗値で新しくデザインされたBiSonic BS-1ピックアップを搭載し、当時のサウンドの再現に成功しています。コントロールは2つのピックアップに対応したボリュームとトーン、3wayピックアップセレクター、マスターボリュームとなっています。
Guild Starfire Bass Ⅱを…
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グレッチ・エレクトロマチックコレクションのベースです。ボディ材には5プライメイプルが採用されています。ネック材、指板材はそれぞれメイプルとローズウッドとなっています。ショートスケールのネックやダブルカッタウェイ加工により、高い演奏性が得られます。新しく開発されたブラックトップフィルタートロンピックアップが2基搭載されており、パワフルなサウンドが生み出されます。コントロールは2つのピックアップに対応したボリューム、3wayピックアップセレクター マスタートーン、マスターボリュームとなっています。ブリッジ・ノブ・テイルピースなどのハードウェアは全てクロームカラーで統一されています。
Gretsch Electromatic Collection G5442BDCを…
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