アクティブベース特集

楽器本体に、プリアンプと呼ばれる回路を搭載したベースをアクティブベースと呼びます。このプリアンプにより、アンプ等についているイコライザーと呼ばれる機能が楽器本体にも付き、特定の音域のブースト・カットが可能となります。これにより、曲間のわずかな間や曲中でも楽器の音色の調整が可能となるのがアクティブベースの大きな特徴です。プリアンプは電池(主に9V電池1~2本)によって駆動されます。また、電気的なノイズに強いこともアクティブベースの特徴として挙げられます。
ちなみにプリアンプの内蔵されていないベースはパッシブと呼ばれ、スイッチによりアクティブ・パッシブを切り替えられる楽器も多いです。
アクティブとパッシブってどう違うの?

https://www.youtube.com/watch?v=ll2aNt5giVM
Tommy Igoe & The Buddy Rich Big Band: The Chicken
ニューヨークを中心に活動するスタジオミュージシャンである Will Lee 氏はサドウスキー社のベースを愛用し、「ニューヨークサウンド」の代表格のプレイヤーとして知られています。

アクティブベースの歴史

アレンビック社が1970年代前半に発売したモデルからアクティブベースの歴史は始まります。が、この楽器は非常に高価だったことなどから、当時はあまり一般的な楽器ではありませんでした。
1976年ミュージックマン社からプリアンプ内蔵のスティングレイというモデルのベースが発売され、これ以降アクティブベースは広く認知されるようになります。さらに、ロジャー・サドウスキーがマーカス・ミラーの1977年製フェンダージャズベースに施した改造が、現在までのアクティブベースサウンドの雛形となっています。
1980年代以降、多弦ベースの発展やベーシストに求められる役割の多様化に伴いアクティブのベースも発展を遂げてきました。

アクティブベースはこんなときにオススメ

アクティブベースはどんなときに便利なのでしょうか。具体的なシチュエーションをいくつか挙げて解説していきます。

曲中、曲間で音色を変えたいとき

やはり一番のメリットはこれでしょう。例えば曲中にスラップのパートがあるのでその場面だけハイを上げる、バラード曲で柔らかい音が欲しいのでローを膨らます、などがすべて楽器のツマミで調整可能になります。

エフェクターを多用するとき

エフェクターを多用すると、どうしてもノイズを拾うことが多くなってしまいます。こんな場合もノイズに強いアクティブベースを使用すれば、パッシブよりもノイズを軽減することができます。さらにアクティブベースは出力も大きいのでエフェクターのノリもよくなります。また、同じ理由から長いシールドを使用するときもアクティブベースは有利になります。

スタジオやライブハウスにどんなアンプがあるかわからないとき

アクティブベースは楽器本体のプリアンプである程度のところまで音を作れるので、アンプ等から音色に受ける影響を少なくすることができます。まずはアンプのセッティングはフラットな状態で楽器本体を好みのセッティングに調整し、最終的な補整としてアンプのセッティングを微調整するといいでしょう。


Stanley Clarke – School Days – 8/10/2003 – Newport Jazz Festival (Official)
エレキ・ウッドどちらも軽々とこなす超テクニシャンベーシスト Stanley Clarke 氏。世界初のアクティブベースメーカーであるアレンビックの楽器を愛用しています。

これから始める人にお勧めのアクティブベース

主にこれから楽器を始める方を対象に、アクティブタイプのお勧めベースを価格帯ごとに紹介していきます。

本体実売価格¥10,000~¥30,000

Selva SAJB-680

Selva SAJB-680

石橋楽器のオリジナルブランドセルバのジャズベースタイプモデルです。ベース・トレブルそれぞれのブースト・カットが可能なプリアンプが内蔵されています。オーソドックスなジャズベースタイプのピックアップ配列のSTYLE1と、リアピックアップがハムバッカーになったSTYLE2があります。

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Epiphone Tobias Toby Deluxe Ⅳ

Epiphone Toby Deluxe IV

ギブソンの兄弟ブランドであるエピフォンとハイエンドブランドであるトバイアスのコラボレーションによるモデルです。非対称のネックや独特のボディ形状などトバイアスの特徴をそのまま受け継いでいます。Tonexpressorと名づけられたツマミにより低音域のブーストが可能です。

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本体実売価格¥30,000~¥50,000

SCHECTER AD-SL-EL4-EXT

SCHECTER AD-SL-EL4-EXT

シェクターのハイコストパフォーマンスシリーズ「extreme」のベースです。ハムバッキングピックアップと2バンドのアクティブイコライザーにより、多彩なサウンドを得ることができます。

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Epiphone Thunderbird Pro BassⅣ

Epiphone Thunderbird PRO IV

エピフォンによるサンダーバードタイプのベースです。メイプルとウォルナットで構成された、スルーネック構造のネックが特徴的です。 ベース・トレブルそれぞれの調整が可能なプリアンプが内蔵されています。

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YAMAHA TRBX304

YAMAHA TRBX304

ヤマハのTRBXシリーズの4弦モデルです。「パフォーマンスEQスイッチ」により、スラップ・ピック・フラット・フィンガー・ソロの5パターンの音色を瞬時に切り替えることが可能です。 この他にもベース・トレブルそれぞれの調整が可能なプリアンプが内蔵されています。

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Aerosmith – Walk This Way – Live At Donington Park / 2014
世界的ハードロックバンドAerosmithのベーシスト Tom Hamilton 氏。G&Lのベースを愛用しています。G&Lはフェンダー社の創始者レオ・フェンダーが最後に立ち上げたブランドで、2つのハムバッキングピックアップによるパワフルなサウンドが特徴です。

本体実売価格¥50,000~¥80,000

Warwick Rockbass series Streamer LX 4-strings

Warwick Streamer LX 4

ワーウィックのハイコストパフォーマンスシリーズである「Rockbass series」のベースです。フロントにプレベタイプ・リアにジャズベタイプというピックアップ配置の、いわゆるPJタイプの楽器で、2バンドのアクティブイコライザーが搭載されています。

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Squier by Fender Deluxe Active Jazz Bass

Squier Deluxe Jazz Bass

フェンダーの兄弟ブランドであるスクワイアのアクティブジャズベースです。「スラップスイッチ」によりベースとトレブルをブーストし、さらにミドルレンジをわずかに削ることができ、スラップ向きの音色を瞬時に作ることが可能です。他にも3バンドのアクティブイコライザーが搭載されています。

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Ibanez SR500

Ibanez SR500

アイバニーズのベースの主力ラインであるSRシリーズのモデルです。3バンドのアクティブイコライザーが搭載されており、さらにミッドレンジは「3way mid frequency switch」により250Hz・450Hz・700Hzの3つの帯域から選択することができます。

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https://www.youtube.com/watch?v=8mU7jDpEdgs
Ch-Masayoshi Takanaka – FINGER DANCIN’ -2011-40th (高中正義)
様々なアーティストを手がけるプロデューサー兼ベーシスト後藤次利氏。スペクターのベースを愛用しています。スペクターは1970年代からアクティブベースを生産している数少ないメーカーのうちのひとつです。

中級者向け~ハイエンドのアクティブベース

本体実売価格¥80,000~¥200,000

この価格帯になると、バッカス・フジゲン・モモセなどの国内メーカーのアクティブのジャズベースタイプモデルや、フェンダー・レイクランド・G&Lなどの外国のメーカーの比較的安価なモデルも視野に入ってきます。

本体実売価格¥200,000~

国内メーカーではアトリエZ・ムーンなど、海外ではサドウスキー・ミュージックマン・スペクターなどのアクティブベースで有名なメーカーの代表モデルはこの価格帯にラインアップされています。
またいわゆるハイエンドと呼ばれるベースはパッシブよりアクティブのほうが多く見られ、その音色は、いかにもアクティブといったギラギラしたものから、一聴するとパッシブのようなナチュラルなものまで様々です。

ベースの売れ筋を…