ベース用ケーブルの種類と選び方

MONSTER BASS MONSTER CABLE「MONSTER BASS」

今回は、楽器とエフェクター・アンプなどを繋ぐ重要な役割を担う「シールド」について書きたいと思います。

シールド?ケーブル?

ベースやギターに用いられるケーブルは、そのまま「ケーブル」と呼ばれたり「シールド」と呼ばれたりします。これはどちらが正しいのでしょうか?結論から言ってしまうと、2つを合わせた「シールドケーブル」という呼び方が正しいのではないかと思います。つまりシールド加工されたケーブルなんです。電磁波等の影響でノイズが再生されるのをシールド加工により防いでいるんですね。普通のオーディオ用のケーブルもジャックの形さえ合えば楽器に使えますが、シールドケーブルと比較するとノイズを拾いやすいのではないかと思います。

ちなみにギターに使われるシールドとベースに使われるシールドは、基本的には同じものだと思ってもらって大丈夫です。ギター用、ベース用と謳われている商品もありますが、音質に違いがあるだけでギター用をベースに、ベース用をギターに使っても問題ありません。

シールドで音は変わる?

「シールドを変えるだけで音は変わるものなんですか?」
これは頻繁にされる質問のひとつで、結論から言えばシールドで確かに音は変わります。ただ、これは楽器本体の音の違いほどは顕著なものではなく、それなりのアンプなど、再生環境がある程度そろわないと、体感しにくいかもしれません。逆にいえば、ある程度以上の楽器やアンプなどの環境が整ってきた場合、シールドにもこだわって選んでみると、楽器やアンプの能力をより引き出すことができるようになるでしょう。

シールド選ぶ要素

シールドを選ぶ際に考慮すべき要素を、前述の音の違い以外にもいくつか挙げていきます。

長さ

最も一般的なのが 3m といわれています。自宅での練習やスタジオでのリハーサル等での使用には、長すぎず短すぎずの最適な長さです。ただライブなどでパフォーマンスを伴う場合ではもう少し長いシールドが必要になってきます。立ち位置はアンプ周辺から動かない場合は 5m 程度、ステージ上を動き回る場合はステージの大きさによってそれ以上の長さが適しています(もっとも、このような場合はワイヤレスも検討すべきだと思いますが)。シールドは長さが長いほど音質は劣化するといわれているし、不必要に長さの余っているシールドは想像以上に邪魔になるので、何種類かの長さのシールドを揃えて、その場に応じて使い分けるのがいいのではないでしょうか。

ちなみにエフェクター同士を繋ぐのに用いられる10~20cmほどの短いシールドはパッチケーブルと呼ばれています。

しなやかさ

太く頑丈なシールドは、確かに音もいいものが多いですが、反面しなやかさも失われ硬くなる傾向にあります。これが長さと同じく、特にライブでの演奏のしやすさに関わる重要な要素になってくるんです。当然しなやかなシールドのほうが演奏はしやすいです。音質を最優先した固めのシールドをレコーディング用、これより若干細くしなやかなシールドをライブ用として販売しているメーカーもあります。

プラグの形状

ケーブル両端のプラグ部分の形状は大きく2つに分けられます。1つはまっすぐなストレート(S)型、もう1つは直角(L字)に曲がったL型です。L型のプラグは、ケーブルの脱落防止やボディー形状の都合から楽器側に持ち入れれることが多く、アンプ側にはあまり用いられません。
両端にどちらの形状のプラグが付くかによって、S-SとかS-Lと表記されます。また、前述のパッチケーブルは、フェクターボード内での省スペースのためL-Lになってることがほとんどです。
ちなみにプラグ先端の実際に楽器側のジャックと接触する部分の形状は、実はメーカーによって微妙に違います。なので、楽器とシールドの接触不良が起きても、シールドを交換するだけで解消さえる場合もあります。トラブルの際は試してみてください。

耐久性

これは使用してみた結果でわかるものなので、選ぶ時点での判断はなかなか難しいかと思います。が、1つ言えるのは、あまりに安いシールドは耐久性が極端に低いんです。つまり、短い期間での買い替えが必要になり、結果コストパフォーマンスが悪くなってしまいます。このことは楽器本体をはじめ機材すべてに言えることですが、ケーブルは特にこの傾向が顕著に出るように思います。

初心者にお勧めのシールド

前述のようにあまりに安いシールドは初心者の方でもお勧めできません。一方高級なシールドも、もちろん予算が許せば使ってみるのはいいと思いますが、必要不可欠なものではないと思います。では初心者の方はどのようなシールドを使えばいいのでしょうか?

CANARE GS-6 PROFESSIONAL CANARE GS-6 PROFESSIONAL

ずばり「CANARE」というメーカーのシールドをお勧めです。このシールドの特徴としては、まず安価で耐久性が非常に高いことが挙げられます。長年使用してもトラブルが起きることは皆無でしょう。そして音質も癖のないナチュラルなサウンドで、さらにしなやかなのでライブ中の取り回しも楽という、まさに初心者にうってつけのシールドです。もちろんプロのミュージシャンにもこのシールドの愛用者はたくさんいます。

CANAREのギターケーブルを…
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定番のベース用シールド

前述のCANAREの他にも有名なシールドをいくつか挙げていきたいと思います。

MONSTER CABLE「MONSTER BASS」

MonsterCable M BASS

いわゆるハイエンドケーブルの先駆的なメーカーです。太さや長さの異なる複数の芯線で構成されており、それぞれ違った周波数帯の電気信号を伝達させています。「MONSTER BASS」というベース用のケーブルもあり、red hot chili peppersのFLEAが愛用していることで有名です。MONSTERというイメージどおりの、ゴリゴリした太い低音が特徴的です。

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Red Hot Chili Peppers – Aeroplane [Official Music Video]
レッチリのFLEAはmonster cableを愛用しています。このケーブルが、彼のゴリゴリした太い音の一端を担っているのでしょう。

BELDEN #8412 The Wired

Belden8412

オーディオ用のケーブルとしても有名なBELDENの「#8412 The Wired」がベース用、ギター用としてアマチュアからプロまでが使用する定番モデルとなっています。このモデルはエレキベースの美味しいポイントであるローミッドが強調されるため、バンドアンサンブルの中に埋もれない存在感のあるサウンドとなります。シールド自体も太く耐久性に優れています。

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Providence「B202」

Providence B202

国産のハイエンドケーブルで、世界的にも広く愛用されています。キャラクターの異なる様々なモデルが発売されており、中でも「B202」は低音域に特化したモデルでベースにはいいのではないでしょうか。ファットな重低音が特徴です。

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CAJ(カスタムオーディオジャパン)

guitar cable

「guitar cable」というモデルが定番です。「高音域、低音域が出やすいケーブルというのは、その帯域が他の帯域に比べ劣化しにくいだけ」というメーカーの考え通りの、癖のないフラットな特性を持っています。しなやかで軽いのでライブ中の取り回しもいいです。

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Live Line

guitar cable

「Pure Craft studio series」が定番モデルです。クラフトマンによる手作業で、ひとつひとつ丁寧に半田付けされており、その名の通りのピュアなサウンドが特徴です。また「LE-stage series」は前述の「CANARE」と同等のハイコストパフォーマンスモデルで、こちらも初心者の方の最初のシールドとしてお勧めです。

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VITAL AUDIO

guitar cable

国内のギターケーブル専門メーカーの先駆け的な存在です。ベース用には「VAⅢ-Solid Bass Cable-」というモデルが作られています。

VAⅢ-Solid Bass Cable-を…
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シールドの自作

これまで挙げたシールドは、すべて完成された形で販売されているものでしたが、ケーブル部分とプラグ部分を別々に購入して自分でオリジナルのケーブルを作成することも可能です。工具(半田ごて、ニッパーetc)などの初期投資さえすれば、同程度のシールドでも自作のほうがコストパフォーマンスはかなりよくなります。手先の器用さに自信のある方は挑戦してみてはいかがでしょうか?ちなみに自作シールドに使われる定番のモデルとしては、ケーブル部分はmogami2524、同2534、BELDEN8412、プラグ部分は、ストレート型ではswitch craft280、L字型では同226が挙げられます。


いかがでしょうか?最近はシールドの試奏ができる楽器屋さんも多いので、この記事を参考にしつつ自身の耳で確かめて、好みのシールドを見つけてみてください。

ギターケーブルのベストセラーを…