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スチュワート・ゼンダー

【本名】Stuart Patrick Jude Zender
【生年月日】1974年3月18日
【出身地】イングランド

若干19歳でデビュー、天才ファンク・ベーシスト

90年代に颯爽と登場し、同時代に巻き起こったアシッド・ジャズ・ムーヴメントの中心的存在として脚光を浴びたジャミロクワイ。そのスタイリッシュかつ完成度の高いサウンド。ヴォーカリストのジェイ・ケイのソウルフルな歌声と、キャッチーなメロディラインを生み出すセンス。そしてアディダスのジャージとニット帽をやたらと流行らせるファッション・アイコンとしての注目度。全てにおいてパーフェクトだったジャミロクワイの演奏面でのキーパーソン、それがデビュー当時は若干19歳だった天才ベーシスト、スチュワート・ゼンダーである。

ファンキーで切れ味鋭い16分のフレーズ、思い切り隙間を作り出すことによってグルーヴを生み出し、フィルインの効果を最大限に引き出すセンスの塊のようなスチュワートのプレイは、アシッド・ジャズ界隈の中でも一際輝いていた。スチュワートのプレイでファンクやスラップを学んだベーシストも多いだろう。そして、なんと言っても、スチュワートのプレイはオシャレだ。ファンキーなんだけど粘っこいというよりはスタイリッシュという言葉がしっくりくる。そう、自分のプレイにオシャレ感を取り入れたいプレイヤーはジャミロクワイの曲とスチュワートのフレージングを絶対に聴くべきだ。

お茶の間を躍らせた男

Jamiroquai:Emergency On Planet Earth

93年のデビュー・アルバム「ジャミロクワイ(Emergency On Planet Earth)」、続く94年の「スペース・カウボーイの逆襲(The Return of the Space Cowboy)」で一躍アシッド・ジャズ人気を牽引する存在になったジャミロクワイ。MTVの盛り上がりもあってジェイ・ケイのファッショナブルなルックスとダンスも人気を集めた。はっきり言ってスチュワートが参加しているジャミロクワイの初期3作品は音楽作品としても、ベーシスト的な観点から聴いても、間違いなくハズせない名盤だ。まだ聴いていないとしたら、音楽リスナーとしてとてももったいないと思う。

ジャズとジャム、ファンクとソウルをスタイリッシュにミックスした1stと2nd、そしてそれをさらにポップかつキャッチーに研ぎ澄ませ、カップヌードルのCMとともにお茶の間にまでアシッド・ジャズを浸透させた世界的名盤の3rd「トラベリング・ウィズアウト・ムービング~ジャミロクワイと旅に出よう~ Travelling Without Moving」。その全てにおいて曲の骨格を強靭かつしなやかなグルーヴで支えていたのがスチュワートなのだ。
3rdの冒頭を飾り、前述のCMに起用されたことで日本でも一気にブレイクしたジャミロクワイ。それまでジャミロクワイやアシッド・ジャズに興味のなかったファミリー層までもスチュワートのプレイを聴き、ジェイ・ケイのソウルフルな歌声とダンスに魅了されていた。なんていい時代なんだ…。


Jamiroquai – Virtual Insanity (Official Video)

「Virtual Insanity」でのスチュワートのベースはアルバム3枚目ともあって自身のジャミロクワイでのプレイの集大成的な、洗練された音色のチョイスとファンキーなグルーヴを放つフレージングを惜しみなく披露している。動く床の上を軽快なステップで踊りまくるジェイ・ケイが強烈なインパクトを残すMVも最高だ。他にもコズミックガールやトラベリングなど、完成度の高すぎるポップでジャジーなファンク・チューンが目白押し。とにかくキャッチーさは初期3作品の中でもズバ抜けているので、これからジャミロクワイを聴こうという方は、「トラベリング・ウィズアウト・ムービング」から聴くのがオススメ。

そしてジャミロクワイの魅力にハマったベーシストは是非その前の2作品にも手を伸ばしてほしい。ちなみにスチュワートは3作目をもってジャミロクワイを脱退。以降はオマーやマーク・ロンソン、アデルなどの作品に関わっている。

使用機材

warwick-stuart-zender-signature Warwick Stuart Zender Signature

スチュワートのベースと言って真っ先に思いつくのはWarwickだろう。Streamer Stage I,Streamer Stage IIに加え、自身のシグネイチャー・モデルであるWarwick Stuart Zender Signatureも使用。スチュワートは、T.M.スティーブンスと並んでWarwick人気に貢献した1人だろう。その他にはフェンダー・プレシジョンベースなども使用している。

Warwick Streamer Stage I、IIを…
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アンプはTrace Elliotを愛用、BOSSのマルチ・エフェクターME-8Bの使用も確認されている。

名盤:スペース・カウボーイの逆襲(The Return of the Space Cowboy)

Jamiroquai:The Return of the Space Cowboy

2作目である「スペース・カウボーイの逆襲(The Return of the Space Cowboy)」までのジャミロクワイはアシッド・ジャズ界隈の中でもジャムのテイストが濃く、スチュワートのプレイもスタイリッシュでありつつもアーシーな雰囲気を匂わせる部分が多く、完成度の高くキャッチーな3rdにおけるスチュワートのプレイよりもこちらのほうが好みだというファンも多い。ベース・プレイ的にはどのアルバムも必聴だが、ベースの自由度の高さが凄まじいフレーズの数々を生み出している「スペース・カウボーイの逆襲」を名盤として紹介したい。

「スペースカウボーイの逆襲」は8分を超える「Just Another Story」で幕をあける。隙間をいかしてハネまくるファンキーなプレイと指板の上を縦横無尽に走らせるグルーヴィなラインを織り交ぜながら、曲が持つコズミック・ファンクなテイストを盛り上げていく。もうこの冒頭の1曲だけでアルバム1枚聴いたくらいの心地よい疲労感に包まれる。つづく「Stillness In Time」は「これぞジャミロクワイ」なジャジーなトラックとジェイ・ケイのソウルフルなヴォーカルが絶妙に溶け合うナンバー。スチュワートはスピーディなフィルインを随所に差し込みながら曲を盛り上げていく。「Light Years」では前半のユニゾンリフのループから、ポップなソウル・チューンへの切り替えが鳥肌モノの展開となっており、スチュワートのラインがそのギャップを自然に埋めている。マニフェスト~ではジェームズ・ジェマーソンよろしくグルーヴ感満載の歌伴ベースを聴かせ、ザ・キッズではまさに弾きまくりという表現がしっくりくる高速ファンキー・パンク。あぁ、もうお腹いっぱい、こんなにカッコよくて最高なノリのベースはコピー出来ません。いやいや、まだまだアルバムは続きます。

個人的にこの作品の中でのスチュワートのベストプレイは「Scam」じゃないかと思っている。グルーヴィで前へ前へとつんのめるようなスラップが最高にクール!聴いてるだけでウキウキするようなこのフレーズ、ベーシスト諸兄には是非コピーにチャレンジしていただきたい。そしてジャム・ファンク・ナンバー「Journey To Arnhemland」では思い切り歪ませたサウンドでよりディープな世界観を演出。アルバムの最後には超絶ジャズ・ファンク、「Space Cowboy」が待っている。あまりにもベースの聴きどころが多く、ついつい真似したくなるテクニックが満載。今こそ聴きたい新たなベースの金字塔的アルバム。


Jamiroquai – Space Cowboy

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