キム・ゴードン(Kim Gordon)

キム・ゴードン GIRL IN A BAND キム・ゴードン自伝 – Amazon.co.jp

キム・ゴードン(Kim Althea Gordon)氏は、アメリカのオルタナティブ・ロックバンド「ソニック・ユース」のベーシストで、ギターやボーカルを担当することもあります。また、他バンドのプロデュースを行ったり、ライターとして活動したり、ファッションブランド「X-girl」の立ち上げ時のデザイナーを務めるなど、音楽以外の分野でも活躍するマルチアーティストでもあります。

Biography

ソニックユース加入以前

キム・ゴードン氏は1953年4月28日、ニューヨーク州ロチェスターに生まれます。5歳の頃、大学の教授であった父の仕事の関係でロサンゼルスへ転居します。ロスの高校を卒業後、サンタモニカやトロントの大学へ通いますが、最終的にはロスへ戻りオーティス美術大学へ入学。1977年には同校を卒業します。

ソニックユース結成

1980年、キムはニューヨークへ移り住み、美術関係のライターの仕事を始めます。このころまでキムは楽器の経験はありませんでしたが、81年に「CKM」というバンドに加入し、このバンドのメンバーを介してソニック・ユースのメンバーとなるサーストン・ムーア、リー・ラナルドと出会います。この3人が中心となりバンド「ソニック・ユース」が結成、83年にはファーストアルバム「コンフュージョン・イズ・セックス(Confusion Is Sex)」がリリースされます。またバンド結成と同じ頃から付き合いを開始していたキムとサーストン・ムーアは84年に結婚します。


Sonic Youth – Teenage Riot
インディーズ時代の最後のアルバム「デイドリーム・ネイション(Daydream Nation)」の収録された楽曲です。このアルバムは、ソニックユースの代表作として挙げられることも多い作品です。

メジャーデビュー

Daydream NationDaydream Nation – Amazon.co.jp

その後80年代に数枚のアルバムを制作しますが、すべてインディースレーベルからのリリースで大きな注目を集めるまでには至りませんでした。が、1988年のアルバム「デイドリーム・ネイション(Daydream Nation)」が傑作と評され、ソニックユースの名は次第に世に知れ渡っていきます。これがきっかけとなり89年にはメジャーレーベル「DGCレコード」との契約を果たし、翌90年にはメジャーでビューアルバム「GOO」をリリースし、このアルバムでバンドは始めての商業的な成功を収める事となります。


Sonic Youth – Tunic (Song For Karen)
メジャーデビューアルバム「GOO」に収録された楽曲です。摂食障害により亡くなったカーペンターズのカレン・カーペンターに捧げられています。

X-girl立ち上げ

Daydream NationX-girl FACE SMARTPHONE RING – Amazon.co.jp

1994年、キムはデイジー・ヴァン・ファースとともに、メンズストリートウェアブランド「XLARGE(エクストララージ)」のレディスラインであるファッションブランド「X-girl」を立ち上げ、最初のショップをロサンゼルスにオープンします。そしてこの頃からソニックユース以外のミュージシャンとのコラボレーション、映像作品の監修、写真や絵の展示、テレビ・映画への出演など、バンドさらには音楽の枠も飛び越えた総合的なアーティストとしての活動を行うようになってきます。

ソニックユース解散

1990年のメジャーデビューから、2年に1枚ほどのペースで順調にアルバムをリリースしてきたソニックユースですが、2006年の「ラザー・リップト(Rather Ripped)」を最後に DGCレコードとの契約が終了ます。その後はインディーズレーベルの「マタドールレコード」と契約し、09年にはこのレーベルからアルバム「ジ・エターナル(The Eternal)」をリリースします。11年10月にキムとムーアが別居状態になっていることが発覚し、これがきっかけで翌月にソニックユースは30年に渡る活動に終止符を打つことを正式に発表しました。この後、キムとムーアの離婚も13年4月に確定します。

ソロアルバム作成

ソニックユース解散の翌年の2012年、キムはビル・ネイスとのデュオプロジェクト「Body/Head」を立ち上げます。また15年には、子供時代からソニックユースでの生活、ムーアとの離婚を綴った自伝「Girl in a Band」を出版します。そして19年初のソロ名義のアルバムとなる「No Home Record」をリリースします。


Kim Gordon – “Sketch Artist” (Official Music Video)
アルバム「Girl in a Band」からの先行シングル「Sketch Artist」のMV。総合芸術家のキムらしい、独特の雰囲気を持った映像作品になっています。

使用機材とプレイスタイル

フェンダー・ジャズベースフェンダー・プレシジョンベース、リッケンバッカーなど多くのベースを使用していますが、特にギブソンSGベースやサンダーバードを使うことが多いようです。プレイスタイルはピックを用いたいわゆるルート弾き中心のフレージングで、ロックの王道ともいうべきスタイルです。


Sonic Youth – Silver Rocket Live on Michelob Presents Night Music (Restored)
アメリカの音楽番組「Night Music」でのライブ映像です。こちらの動画でもサンダーバードを弾いています。ソニックユースの過激なパフォーマンスを見ることができます。