そしてミーターズが果たした語られるべき大仕事の1つがドクター・ジョンの作品「In The Right Place(イン・ザ・ライト・プレイス)」へのレコーディング参加だろう。「Right Place long Time(ライト・プレイス・ロング・タイム)」という大ヒット曲を含むニューオリンズ・ファンクの傑作の演奏に携わったことで、ミーターズは知名度と人気を高めていった。また、この頃からミーターズはヴォーカル入りの曲が多くなってきている。
ミーターズで超ド級にファンキーなグルーヴ・ラインを繰り出し続けるジョージだが、その魅力はファンク・ベースだけではない。アラン・トゥーサンの「サザン・ナイツ」やブロウニング・ブライアントの「ブロウニング・ブライアント」などではメロディアスかつ、歌に寄り添うような玄人好みのプレイで楽曲を支えており、プレーヤーとしての懐の深さ・引き出しの多さを感じずにいられない。ソロ名義のアルバム「Runnin’ Partner(ランニング・パートナー)」ではヴォーカルやギターを披露したりとなかなかの芸達者でもある。ジョイ・ライドというバンドでも作品を残しているので(「Searching for Joy Ride」)、興味のある方はこちらもチェックしてみるといいだろう。
1曲目の「peaple say」のゴキゲンなカッティングに切り込んでくるヘヴィ&ファンキーなリフだけでノックアウトされる全ベーシスト必聴のド名盤。リフ自体はシンプルだけど1音1音の重さがハンパない。ブリッジ部分にさりげなく高速ユニゾンを挟み込んでくるセンスもさすが。2曲目の「Love Is For Me」では、甘いソウル・バラードで絶妙な歌伴を聴かせる。とくにサビ前のワンコードで裏を強調したフレーズが嫌が応にも高揚感を煽ってきてグッとくる。裏を強調といえば4曲目の「What’scha Say」のAメロも抜群のグルーヴで歌メロに華を添えている。続く5曲目の「Jungle man」ではタメの効いた隙間の多いフレーズで強力な横ノリを演出。7曲目の「It Ain’t No Use」はソウルフルなヴォーカルのバックで聴かせるファンキーな裏メロ、タイトなユニゾン・フレーズ、ブリッジ部分で繰り出される切れ味の鋭い16分のレーズなど、ジョージの持ち味がいかんなく発揮されており11分を超える長尺のナンバーながら全くそれを感じさせない完成度の高さに圧倒される。