マイナースレット解散後のワシントンDCでは、80年代ハードコア・パンクの中心的レーベル、ディスコード周辺でDo It Yourself、すなわちDIYの精神による様々な表現が試みられていた。
ジョー・ラリーもそのムーヴメントの中で、イアン・マッケイ(Vo&Gu)、ブレンダン・キャンティー(Dr)とフガジを結成。のちにギー・ピチョトー(Gu)も参加、4人編成となる。
“Fucked Up, Got Ambushed, Zipped In”というベトナム戦争時の隠語の頭文字をバンド名に掲げたフガジ。マイナースレットから一転して低音を強調した横ノリのグルーヴで踊らせる曲が多くなり、活動の方法も通常のライヴハウス以外の場所を使用してライヴを行うなど、その後のシーンに大きな影響を与えていく。
7songs〜Ataxiaまで
88年「7songs EP」「margin walkar EP」をリリース。現在では「13songs」という1枚のアルバムとしてリリースされている2枚のEPはワシントンのハードコア・シーンが次のステージに移行しつつあることを宣言していた。「waiting room」における「タメ」と「ハネ」の効いたグルーヴィなベース・リフによるイントロ、「Give me the cure」の重苦しく唸るフレージングなど、今聴いても鮮烈なベース・ラインがつまっている。