【生年月日】1976年9月2日
【使用ベース】 : G&L ASAT
【所属バンド】 : バトルス
マス・ロックの雄 バトルス
バトルスのメンバーであるデイヴ・コノプカ。彼は純粋に言えばベーシストと言うよりは、マルチ・ミュージシャンであり、バトルスの中でもベースを弾いたり、ギターを弾いたり、エフェクト・ペダルをいじりまわしたりと、なかなかに多彩な人物である。
来日すればハコは超満員の人気バンドとなったバトルスは、型にハマらない、それでいて緻密に創り込まれた音の配置、音色による楽曲を展開させる。それが故に、アルバムで一聴しただけでは、それがほんとうにベースなのか、シンセなのか、オクターヴを下げたギターなのか、分からないこともある(笑)。だが、ライヴで観る、そして聴くデイヴ・コノプカのベースは、我々の身体に直接原始的なビートを叩き込んでくる。21世紀最高のドラマーの1人、ジョン・ステニアー(dr)と共に繰り出すリズムはまさに圧巻、もう踊るしかない!まさにお手上げ状態である。
バトルスと言えばまずはこの曲、「アトラス」を重い浮かべる人も多いだろう。バトルス未体験の人にはまずこのPVから体験してほしい。
タイヨンダイ脱退からの復活
この頃はバトルスの頭脳と言われたタイヨンダイ・ブラクストン(Gu,Vo,Syn,あたまもじゃもじゃの人)がいたのだが、残念ながらタイヨンダイはアルバム「ミラード」に伴うツアーののちにバトルスを脱退。
何やめてんだよタイヨンダイ!!どうなるんだよバトルス!?
とファンたちはやきもき。
しかし残された3人は逆境もなんのその、強靭なビートが満載のアルバム「グロス・ドロップ」をリリース。アルバムのリード・トラックとなった「アイスクリーム」では南米テクノ・シーンのキーパーソン、マティアス・アグーヨをVoに迎え、バトルス流ポップ・ソングを展開。まさに新境地を切り開いた。
そして3人体制になってバトルスらしさを追求し、生まれたアルバムが2015年の「ラ・ディ・ダ・ディ」である。緻密な音の配置。強靭なリズム。複雑さとポップさを自由に、そして絶妙に交差させるセンスのよさ。まさに圧巻。しかしながらバトルスの真の魅力はやはりライヴだ。是非、生でデイヴ・コノプカのクレバーなプレイを堪能してみてほしい。
デイヴ・コノプカの使用機材
デイヴ・コノプカは前述のようにアルバムでもライヴでも、ベースとギターを曲によって持ち替えている。ギターはギブソン・レスポール・カスタムを使っている。ギタリストの友達に教えてあげよう!
そしてベースはと言えば、ライヴではG&L ASATベースを使用している。レコーディングでは、このASAT以外にもフェンダー・プレシジョンベースについても弾いているようだ。
アンプはレコーディングの際には、FendarのベースマンやMesa Boogieなども使用しているが、ライヴではヘッド&キャビネットともにAmpegのSVT。
エフェクトは音から想像出来るとおり、かなり複雑なのでここでは紹介しきれないが、BOSS PS-3 ピッチ・シフターや electro hamonix POG2、LINE6 DL4 などは2台ずつボードに組み込まれている。ループマシンには Gibson Echoplex Digtal Pro Plus を使用している。なかなか簡単に真似の出来ない、悩ましいセッティングである。
名盤:ミラード
3人体制のバトルスの「今」を知るには「グロス・ドロップ」以降のバトルスのバトルスにひとつの到達点を示した「ラ・ディ・ダ・ディ」が最適なのだが、バトルスから1枚だけ選ぶのであれば、やはり「ミラード」を挙げたい。冒頭でも述べたが、デイヴ・コノプカは曲によってギターとベースを使い分けており、オクターヴを下げたベース的なギターの場合もあるし、イアンの弾くシンセがベース音を奏でているケースもある。ここでは、そのすべてを「ベース」として捉え、ベース・プレイの参考として紹介したいと思う。
「ミラード」と言えば「アトラス」が超有名なわけだが、もうここでの説明は省くことにする。むしろこのアルバムには「アトラス」級の名曲が詰まっている。例えば「トント」。
ミニマルなギターから始まるこの曲は3本のギターが絡み合うナンバーであるが、曲を牽引するベース・ライン的なフレーズがおそろしくかっこいい。「レインデッカー」はシンセ風のベースがシンプルに刻み続けるリフが呪術的なヴォーカルと絡み合う中毒性の高い曲に仕上がっている。「スネア・ハンガー」はめまぐるしく変わっていくウワモノの音色を支えるどっしりとしたベースラインが心地いい。
このアルバムの素晴らしさは低音をベースだけに捕われずにギターやシンセで再現することで、ベーシストに新しいアイデアを与えてくれるところである。
デビューEPの「EP C」も必聴!!
BATTLESの音源を…