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レミー・キルミスター

【本名】イアン・フレイザー・キルミスター(Ian Fraser Kilmister)
【生年月日】1945年12月24日
【出身地】イングランド
【使用ベース】 : Rickenbacker 4001,4002,4004
【所属バンド】 : Motörhead,Hawkwind

ロックン・ロール界のゴッド・ファーザー

言わずと知れたモーターヘッド(Motörhead)のベーシスト&ヴォーカリストであり、メタル、パンク、ロックといったあらゆる音楽シーンに影響を与え、数多くのミュージシャンたちにリスペクトされ続けるロックン・ロールにおけるゴッド・ファーザー的な存在、それがレミー・キルミスターである。多様なジャンルに自らにDNAを残しつつも、決して自分たちには何者にも染まらない独自の音楽性を貫き通したモーターヘッド。その音楽的中心だったのもソングライティングを務めたレミーであり、彼の唯一無二のベース・プレイがモーターヘッドのサウンドの要だったのは確かだ。リッケンバッカーとマーシャルを組み合わせた激しく歪んだサウンドと、5度コードを多様したストロークでギターに近いプレイを得意としたレミー。あまりにも独特すぎるそのスタイルが、レミーをオンリー・ワンなミュージシャンとして世界に認められた要因の1つだろう。

楽曲自体の基盤にあるのはヘヴィなロックンロールであり、スピーディなリフとレミーのダミ声ヴォーカルがこれでもかと言うほど、男気を撒き散らしていく。バンドの代表曲である「Ace Of Spade」を聴けば、誰しもがその魅力に取り憑かれるに違いない。


Motörhead – Ace Of Spades (Official Video)

モーターヘッドは何故リスペクトされ続けているのか

モーターヘッドは75年にレミーを中心に結成された。バンド結成から、レミー死去による解散までの40年間、ギターとドラムは何度かメンバーチェンジを経ているが、レミーは不動のベース&ヴォーカルである。そして2015年までの間にモーターヘッド流ロックン・ロールを貫いたアルバムを23枚リリースしている。レコーディング技術の向上によるサウンドの質感の変化はありつつも、バンドの底に流れるのは一貫してレミーを中心として確立したモーターヘッドのサウンドである。それぞれの作品が高いクオリティを保ちつつも、大きな音楽性のチェンジを行わない「安定のモーターヘッド・ブランド」を提供し続けたあたり、音楽性は違えどスタンスはAC/DCに似ているかもしれない。時代の変化に捉われず、独自のロックンロールを貫き通したことが、40年を経た今もなお新しいファンを生み出し続けている理由かもしれない。

レミーの魅力はその音楽性だけではない。ロックン・ロールを体現しているその生き様は、多くのリスナー、ミュージシャンたちに支持されている。酒とタバコを愛し、1人の女性との結婚生活という幸せは望まず、生涯独身を貫いた生粋のロックン・ローラーである。そしてファンが望めば、丁寧な対応でサインや写真に応じる紳士でもあり、後進のミュージシャンにとっては面倒見のいい兄貴分であった。そんな人柄のためか、自分よりも若い世代のバンドとの交流も盛んであり、デイヴ・グロール(Foo Fighters)のプロジェクトであるProbotに参加したり、Metalicaのライヴにゲスト参加したりと、本家モーターヘッド以外の活動にも積極的であった。レミー、超いい奴。

極悪レミー

そんな彼の人柄は、彼自身の生き様に密着したドキュメンタリー映画「極悪レミー」を観れば一目瞭然。モーターヘッドのファンはもちろんだが、「モーターヘッドには興味があるけど、ちゃんと聴いたことがない」と言う方にこそ観ていただきたいこの映画。何と言ってもレミーについてのインタビューに応じるメンツが凄すぎる。スラッシュ&ダフ・マッケイガン(GUNS’N’ROSES)、デイヴ・ナヴァロ(JANE’S ADDICTION)、ニッキー・シックス(MOTLEY CRUE)からオジー・オズボーン、ミック・ジョーンズ(THE CLUSH)まで錚々たるミュージシャンたちがレミーについて語るわ語るわの約2時間。もちろんモーターヘッドのライヴ映像やメタリカとの共演シーン、デイヴ・グロールとのスタジオの様子など、レミーのプレイも楽しめるナイスなドキュメントに仕上がってます。観た後にジャック・ダニエルが飲みたくなる。必見。

スペース・ロックの雄、ホークウインド

レミーを語るうえで重要なバンドがもう1つある。レミーがモーターヘッド結成以前に在籍したホークウインド(HAWKWIND)である。モーターヘッドでの高速ロックン・ロールのレミーをイメージして聴くと、そのギャップにブッ飛ばされ、そしてそのスペーシーで今聴いても斬新な宇宙的なサウンドにまたもブッ飛ばされる。電子音を効果的に取り入れたトリップ感満載のスペースロックは70年代ロックの自由さと芸術性の高さを表現していたと言えるが、バンド内にはドラッグ問題が蔓延し、特に症状のひどかったレミーはバンドを解雇されてしまった。
しかしながら、その後レミーがモーターヘッドで世界的なブレイクを果たしたのだから、ホークウインドにとっては何とも皮肉な話である…。ちなみにレミー在籍時のホークウインドのヒット曲「Silver Machine」のライヴ映像はヤバすぎるかっこ良さ。アルバム的には「Space Ritual」が呪術的なグルーヴ満載でオススメ。レミー・ファンならばこちらも是非。

使用機材

レミーのベース・プレイについても少し掘り下げていこう。前述のとおり、愛用べースはリッケンバッカーである。モデルは4001と4002、そして自身のシグネイチャー・モデルである4004。これらのリッケンバッカー・ベースマーシャル・アンプをつなげてガンガン歪ませるのがレミー・スタイル。その音作りで1〜2弦を多様したコード弾きなんてするものだから、もはやギターである。
そこまで歪ませてギターのようにプレイしているのに低音の薄さは感じられず、逆にヘヴィに感じられるんだから恐るべしレミーの存在感。ちなみにマーシャルからもシグネイチャー・モデルのアンプがリリースされている(Marshall 1992LEM Lemmy Kilmister)。先に挙げた映画「極悪レミー」では、歪みませたベースを弾きまくるシーンも収録されているので、レミーのプレイを取り入れてみたいベーシストの方々は参考にしてみてほしい。

名盤:Ace Of Spade

Ace Of Spade Ace Of Spade

一貫したシンプルでヘヴィなロックン・ロールを作品に落とし込んできたモーターヘッドであるが、80年発表のアルバム「Ace Of Spade」は音楽ファンの間でも後世に残る傑作として別格の扱いを受けてきたロックン・ロールの金字塔的作品である。アルバム冒頭を飾るタイトル・トラック「Ace Of Spade」でノック・アウト確実。そのままの勢いで2曲目の「Love Me Like a Reptile」になだれ込む。3曲目の「Shoot You In the Back」が始まる頃には既にアタマを空っぽにして拳を振り上げるしかない、そんな勢いのある傑作である。6曲目「(We Are) The Roadcrew」のミドルテンポ(なのに早く聴こえる)での前のめりなグルーヴもたまらなくヘヴィで、とてつもなくロックしている。もちろんレミーの歪みベースを活かしたリフもたっぷり堪能出来る。とはいえ、ベーシスト的な観点を除いても、クオリティの高いロックン・ロールが並ぶ、ロック・ファンならば避けては通れない屈指の名盤。

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