ムーンギターズのエレキベースについて[記事公開日]2014年3月18日
[最終更新日]2020年03月18日

ムーンギターズのエレキベース 引用元:http://www.moon-guitar.co.jp/

国産コンポーネントベースブランドの筆頭がムーンです。高品質なフェンダー系コンポーネントベースを生み出し続け、多くのプロベーシストに愛用され続けています。

数多いコンポーネントブランドの中で、どうしてムーンはこれほどまでに一流プロベーシストに選ばれ続けているのでしょう?
ここでは、その秘密に迫ってみたいと思います。

ムーン・ベースの特徴

まずは、ムーン・ベースならではの特徴についてお話してみたいと思います。

高品質なパーツを一流ビルダーが組み立てる

ムーンは1970年代に、日本代表するビルダー達によって立ち上げられたメーカーです。当時は国産エレキギター、エレキベースはまだまだ世界に通用するほどに成長はしていませんでした。
国産のエレキ系楽器は、高価な海外ブランド品の代替品から抜け出すことができていませんでした。

ESPをはじめ、フェルナンデスやグレコ、アイバニーズも、今では世界に通用するブランドとなっていますが、当時はフェンダーやギブソンをいかにコピーするかを競い合っていたような時代です。

そんな時代に本物の海外メーカーのパーツを日本国内で組み上げる、というコンセプトで誕生したのがムーンでした。
シェクターやワーモス、トム・アンダーソンといった、海外の一流メーカーのパーツを使用し、国内のビルダーによって組み立てられたギターやベースは、海外有名ブランド製品の品質をはるかに上回るものでした。

パーツこそ海外製のものを使用していましたが、日本でも高品質な楽器を作ることができる!そんな自信や希望を持たせてくれたブランドがムーンだったのかもしれません。
事実、この時期を境に、国内メーカー各社はさまざまなオリジナルモデルの開発をスタートし、世界へ羽ばたいて行くようになりました。

徹底した品質管理

その品質の高さから、早い段階でプロミュージシャンの注目を集め、ムーン・ベースは愛用されるようになりました。中には、フェンダーなどの海外ブランドのベースからわざわざ持ち替えた、というプロベーシストも少なくありませんでした。

ある程度の成功を収めたとはいえ、ムーンはそれほど大きな規模のメーカーではありません。しかし、そこを逆手にとって海外の大手メーカーに決してマネすることのできないベース作りをはじめました。

まずは徹底した品質の管理です。基本的にパーツは海外からの輸入品ですが、その一つ一つをビルダーがチェックし、相性を確認しながら組み立てて行きます。この作業にはビルダーのセンスや技術、そして経験が要求されますので、大量に均一のものを生産しなければならない大手メーカーには決してマネすることはできないでしょう。

また、顧客からの要求にも素早く対応することができるのも小さなメーカーならではの強みでしょう。当時からオーダーメイドが可能な国産メーカーもありました。しかし、ムーンはコンポーネントメーカーである利点を最大限に活かし、素早くパーツの変更などに対応し、プレイヤーの要求にスピーディに対応しました。

こういった点から、ムーン・ベースは多くのプレイヤーからの支持を獲得してきたのです。

よりオリジナリティの高いモデルを

現在、ムーン・ベースに使用されているパーツは海外ブランドのものではありません。バッカスブランドなどを展開している国内ギター・ベースメーカーのディバイザーから供給を受けています。

国内パーツに切り替えることによって、供給されるパーツに対してさまざまな注文をつけることが可能となりました。これまでは、フェンダー系のコピーモデルが主流だったムーンですが、国内メーカーのパーツに切り替えることによって、よりオリジナリティの高いモデルの製作が可能となりました。

かつては純粋なコンポーネントメーカーだったムーンが、今や完全なオリジナルシェイプのモデルまで作ることができるようになったのです。

品質の高さや、ニーズに対するレスポンスの早さなど、昔からの魅力はそのままに、ムーンは今、さらなる進化を遂げようとしています。

ムーン・ベースのラインナップ

現在、ムーンでラインナップされているベースをご紹介しましょう。

JJ

moon-bass-jj

フェンダーのジャズベースを元に設計されたムーンの基本モデルです。発売からすでに25年が経過していますが、今でも大きなスペック変更がないまま、多くのベーシストに愛され続けています。
まさに、国産ベースのスタンダードモデルと言うべき存在でしょう。

5弦ベースもラインナップされており、国内外のトップベーシストから高い評価を得ています。
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DJB

Moon Bass DJB

スタンダードモデルであるJJのシェイプやピックアップなどを見直し、より近代的なサウンドメイクに対応することのできるベースとしてデザインされています。
その音作りの幅や、プレイアビリティの高さは、ムーンというメーカーだからこそ実現することができた、と言えるでしょう。
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グルーヴマスター

Moon Bass Groovemaster

ムーンのオリジナルシェイプ、そしてピックアップレイアウトを採用したモデルがグルーヴマスターです。ピックアップレイアウトにPJスタイルを採用することによって、幅広いサウンドを実現しています。
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CLIMB

moon bass climb

よりモダンなデザインを採用することによって、よりテクニカルなプレイに対応すべく設計されています。プレイアビリティだけでなく、アクティブ・パッシブの切り替えが可能なサーキットを採用することによって、これまでにないサウンドメイクの幅を実現しました。

ムーンではそれぞれのベースで、ボディカラーをはじめ、さまざまなパーツのオーダーが可能となっています。好みのスペックに完全に一致するモデルがラインナップされていなかったとしても、素早く対応してもらえる…これもムーンならではの魅力です。
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ムーン・ベースを愛用するベーシスト

では、ムーンベースを愛用するトップベーシストをご紹介したいと思います。

岡峰光舟

https://www.youtube.com/watch?v=RPQwX2uQmHA
今や日本を代表するエモーショナル系ロックバンドの成長した、ザ・バックホーンのベーシストである岡峰光舟が愛用しているのは、ムーンのグルーヴマスターです。
シンプルながらしっかりとした芯のあるサウンドを奏でています。

今沢カゲロウ


世界的にも高い評価を受けている日本人ベーシスト、今沢カゲロウの超絶プレイを支えているのムーンの6弦ベースです。
彼が使用している、ということはテクニカルなプレイにも対応することのできる高いプレイアビリティを持ったベースであることの証明にもなるのではないでしょうか?
今沢カゲロウ


ムーンが多くのプロベーシストに愛されるのには、このような理由があります。多くのプレイヤーに支持される楽器にはそれなりの理由があるのです。