これまでのヴィンテージモデルは1962年や1975年といった「年式」の特徴を再現していましたが、MIJでは1960年代、1970年代、というように「年代」ごとのざっくりとした特徴を再現しています。その意味ではフェンダーUSAの「アメリカン・オリジナル」シリーズに通じるコンセプトのシリーズだと言えるでしょう。
MADE IN JAPAN TRADITIONAL 60S JAZZ BASS
左用モデルもあり
【カラーバリエーションモデル】MADE IN JAPAN TRADITIONAL 60S JAZZ BASS WALNUT
ジャズベースの定番スタイルといえる1960年代、特に1962年式のスタイルを継承したジャズベースは、その人気を象徴するかのようにいろいろなバリエーションを持っています。さきほどメキシコ製ジャズベースとの比較を試みたこちらの「トラディショナル60Sジャズベース」は、
そのままです。
といった特徴を持ち、ピックガードにはフィンガーレストやピックアップカバーを取り付けるネジ穴を再現しているほか、リアピックアップからブリッジへと延びるアース線も再現(「ウォルナット」では廃止)しているなど、60年代モデルをしっかりと表現しています。
基本モデルの右用では8色の、また左用では3色のカラーバリエーションがあります。また、ネックやパーツのカラーにまで手を加えた「ウォルナット」、2018年限定カラーの「ヴィンテージ・ホワイト」がリリースされています。
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フレットレス仕様については、ボディ材がアルダーになっている以外の仕様こそ基本モデル「トラディショナル60Sジャズベース」と同じですが、ピックガードは最初からは付いていません。「ピックガードのない、3カラーサンバーストのフレットレス・ジャズベース」と言えば、ジャコ・パストリアス氏のトレードマークとして知られていますね。なお、この大定番仕様を敢えて外しに行った、ブラックカラーもリリースされています。
ピックガードが付属しているのでお好みで取り付けることもできますが、取り付け用のネジ穴は空いていません。ですからピックガードを取り付けようと思ったら「買ったばかりのベースのボディに、いくつものネジ穴をあける」という試練を乗り越える必要があります(木工技術に自身の無い人は、遠慮なくプロのリペアマンに依頼しましょう)。
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スラップ奏法を使用する機会の多いベーシストに特に支持される1970年代仕様「70S」は、ネックの形状や寸法、そしてピックアップやブリッジと言った重要部品こそ「60S」と共通ですが、
そのままです。
といったこの年代の特徴が折り込まれており、雰囲気充分です。ただし、ピックガードにピックアップカバーとフィンガーレストのネジ穴は再現されていますが、ピックガードが60Sと共用のためか、フィンガーレスト用のネジ穴はG弦側についています(本来ならE弦側)。
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上位機種「ハイブリッド」シリーズは、
そのままです。
を特徴とした実用的なベースです。仕様書では金属パーツが「トラディショナル」と共通して「ヴィンテージ・スタイル」だと表記されていますが、ペグについてはマウント用プレートが「70S」よりさらに大型になった、とても頑強なものになっています。
基本モデル「ハイブリッド60Sジャズベース」は、
そのままです。
というネックで、カラーバリエーションは6種類あります。
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「ハイブリッド・ジャズベース・インディゴ」は、日本的な色調「藍色」をテーマにしたコンセプトモデルです。基本モデルの仕様を踏まえながら、フェンダーのモダン・スタイル標準である「指板R9.25インチ(241mm)」が採用されています。
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MIJ「リミテッド」シリーズは、年2回の予定で仕様やカラーリングを変更させながら定期的にニューモデルを発表していく限定生産モデルです。2018年の春夏向けとしては、1960年代スタイル、3カラーサンバースト、というこれ以上ないくらい定番仕様のジャズベースがリリースされました。
という日本製フェンダー最高峰のジャズベースは、下地からラッカーを使用する、正真正銘の「オールラッカーフィニッシュ」を採用、アメリカン・ヴィンテージ名義の’64年式ピックアップ、ギザギザのついた鉄製サドルが目印のアメリカン・ヴィンテージ・ベースブリッジを備え、ピックガードのG弦側にはフィンガーレストが付けられています。
厳選アルダー2Pボディ、メイプルネック、ローズウッド指板というまさに定番の木材構成に、丸みのある指板、細くて低いフレットを備え、ハードケースが付属します。
Made In Japan 2018 Limited Collection 60s Jazz Bassを…
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「フェンダー・ジャパン」時代から長らく愛されてきた「エアロダイン」シリーズは、MIJでは「スタンダード」シリーズ枠に収まりました。「Aerodyne(=重航空機)」の名が示すように、ボディトップが飛行機の翼のようなゆるやかなカーブを描く「カーブドトップ」になっています。この意匠はフェンダーのラインナップの中で異色であるばかりでなく、特にステージで立って演奏する時のフィット感が良くなります。
このモデルは「すでに完成の域に達している」と判断されたためか、このたびMIJ入りする際にもマイナーチェンジなどのアレンジを受けませんでした。よって、フェンジャパ時代の名残である「ネックヒール部にMADEIN JAPAN表示」もそのままです。
こうした特徴により、軽量で取り回しが良く、特にロック系のステージに映え、立って弾きやすい、という強みがあるベースなので、活発にライブ活動を展開したいベーシストに特にお勧めです。
Aerodyne Jazz Bassを…
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で、PRSやギブソンなどのようにボディトップに曲面を彫り込むことを「カーヴィング(carving)」と言います。紛らわしいですね。しかしこのエアロダインのようなゆるやかな曲面は「curved:曲線上の(形容詞)」を使って「カーブドトップ(curved top)」と表現することもできます。
「MIJ」シリーズの前身「フェンダー・ジャパン」および「ジャパン・エクスクルーシブ」は生産が終了しましたが、流通量が多いことから現在でも中古やデッドストックとして散見します。MIJ以前の日本製フェンダーはネックがスリムなので、その握り心地が欲しい人はぜひ探してみてください。
ジャパン・エクスクルーシブ・シリーズのスタンダードなモデルです。
が用意されています。
Classic ’60s/70’s Jazz Bassを…
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60年代前半のジャズベースのスタイルを継承した人気モデルです。シェイプやサーキットはスタンダードなジャズベースのものですが、ボディ材にバスウッドを採用することによって、軽量で取り回しの良い楽器に仕上がっています。
フェンダー・ジャパンのジャズベースの定番モデルの1つです。
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よりヴィンテージ・ジャズベースを忠実に再現するために、ボディ材にアルダーを、ピックアップにUSA製のものを採用したJB62の上位モデルにあたります。
非常に高品質なサウンドをアウトプットしてくれることから、初心者から上級者まで幅広いベーシストに愛されているフェンダー・ジャパンのロングセラーモデルです。
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塗装にヴィンテージと同じくラッカーを採用し、より質感やボディの鳴りを追及したハイクオリティなモデルです。ピックアップのみでなくほとんどのパーツにUSA製のものを採用することによって、よりリアルなジャズベースサウンドを再現することが可能となっています。
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70年代のジャズベースを再現したモデルがJB75です。この年代の特徴であるアッシュボディや、ブロックポジションマーク、3点止めネックジョイントなどを忠実に再現しています。
アッシュボディならではの硬質で抜けの良いサウンドを楽しむことができます。
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以上、メイドイン・ジャパン(MIJ)のジャズベースをチェックしていきました。MIJは比較的低価格でありながら、品質も性能もよいことが世界的似られています。フェンダーがもともとUSAの企業だからでしょうか、メイドインUSAの方が価値が高いように感じている人も多いようです。しかしUSA本国の人からすれば「日本にはこんなに良いベースがあるのに、なぜアメリカ製を欲しがるんだ?」なんて不思議に思うそうです。日本製のジャズベース、ぜひ実際に手に取ってみてください。