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T.M.スティーヴンス

TM㈰

 ド派手な見た目にふさわしいド派手なスラップとファンキーなグルーヴで、数々の実力派ミュージシャンとのコラボレートを続けるベーシスト、それがT.M.スティーヴンス!
 マイルス・デイヴィス、シェームス・ブラウンとの共演経験もあるT.M.スティーヴンスがここ日本での知名度を一気に上げたのが、スティーヴ・ヴァイのバンドであるVAIへの参加、そしてデビュー当時「ジミヘンの再来」と話題になったスティーヴィー・サラスとの共演あたりからだろうか。ザック・ワイルドやリッチー・コッツェンら一流ミュージシャンを集めて制作されたサラスのカバー・アルバム「エレクトリック・パウワウ」でヒートウェイヴの「グルーヴライン」のカバーに参加。この曲でのファンキーでありながら疾走するようなベース・ライン、絶妙なタイミングで織り込まれるプルによって生み出されるグルーヴで、圧倒的な存在感を示し、ほどなくしてスティーヴィー・サラスのパーマネント・バンドであるカラーコードに参加。日本での人気を不動のものにしていく。
 近年ではブーツィー・コリンズのバンドに参加したほか、チョコレート・ファッジというバンドで活動している。

【使用ベース】 : Warwick
【所属バンド】 : スティーブ・ヴァイ , スティーヴィー・サラス・カラーコード , T.M.スティーヴンス・アウト・オブ・コントロール

所属バンドでの経歴

VAI

 フランク・ザッパ・バンドからアルカトラス、デヴィッド・リー・ロス、ホワイト・スネイクと渡り歩いたギタリスト、スティーヴ・ヴァイが自身のバンドとして結成したバンド「VAI」。当時ほぼ無名の新人だったデヴィン・タウンゼントをVoとして起用、ドラムにはテリー・ボジオ、そしてベーシストとして参加したのがT.M.スティーヴンスである。ヴァイのパーマネント・バンドとして長く活動することが期待されたが、残念ながらバンドはアルバムを1枚発表しただけでその活動を終了。しかしながらその後ハード・ロック界で広く活躍するデヴィン・タウンゼントを発掘した功績は大きい。そしてこのアルバムでのT.M.スティーヴンスはテクニカルなスティーヴ・ヴァイ、テリー・ボジオのプレイとぶつかり合う凄まじいもので、高速パッセージから超絶スラップまでやりたい放題。テクニカルな楽曲にファンキーな要素を持ち込んだT.M.スティーヴンスのバンドへの貢献度は非常に高い。2枚目のアルバムが聴けずに終わったのがとても残念だ。

スティーヴィー・サラス・カラーコード

 サラスのカバー・アルバム「エレクトリック・パウワウ」での共演を経て、サラスのバンド「スティーヴィー・サラス・カラーコード」に参加。カラーコードの2nd「バック・フロム・ザ・リヴィング」で4曲をプレイしており、ツアーにも参加。VAIへの参加で知名度は上がっていたものの、日本での人気を決定付けたのは、このカラーコードへの参加だった。アルバム冒頭を飾る「テル・ユア・ストーリー・ウォーキン」での豪快なスラップはファンキーなサラスとのギターとの相性抜群。続く「クラック・キルド・アップルジャック」のイントロでは高速スラップでソロを披露している。そしてT.M.スティーヴンスの魅力といえばそのプレイと同じくらいヴィジュアルのインパクトの強烈さだ。ド派手な衣装にドレッド・ヘアーを振り乱しながら豪快にスラップをキメまくるその姿は、ベーシストならずとも目を奪われること必死。サラスのDVD「テル・ユア・ストーリー・ウォーキン」を観れば、T.M.スティーヴンスがステージで主役のサラスに匹敵する存在感を放っていたかがよく分かるだろう。

T.M.スティーヴンス・アウト・オブ・コントロール

 カラーコードへの参加で今後の動向が注目されていたT.M.スティーヴンスが満を持して発表したのがT.M.スティーヴンス・アウト・オブ・コントロール名義で発表された「ブーム!」。サラスやバーニー・ウォーレル(Key)、リヴィング・カラーのウィル・カルホーン(Dr)など多彩なゲスト陣を迎えて制作されたこのアルバムはT.M.スティーヴンスの持ち味であるヘヴィ・メタル・ファンクが全開の快作。豪快なスラップやファンキーなプレイだけではなく、T.M.スティーヴンス自身のVoも楽しめる。その後同じくアウト・オブ・コントロール名義で「スティッキー・ウィキッド」、を発表。こちらもベーシストなら必聴の名盤。

使用機材

warwick-1  T.M.スティーヴンスのシグネチャー・モデル

 T.M.スティーヴンスのトレード・マークとも言えるのがワーウィックのベース、ストリーマー。現在は本人同様の派手なペイントを施したシグネイチャー・モデルを愛用。こちらは「ズールー・ウォーリアー」として市販もされている。ピックアップはワーウィックのMEC製。このベースに組み合わせて使用されるアンプもまた、ワーウィックのWA-600。これらの機材とT.M.スティーヴンスの超ハードなピッキングで、あのアタッキーでヌケのよいサウンドが生み出されている。

ライブでのソロ・コーナー

 更にT.M.スティーヴンス・サウンドの特徴と言えばエフェクター使いのセンスの良さ。バッキング時はクリアなサウンドで曲のグルーヴを牽引していくことが多いが、ちょっとしたフィルやベース・ソロになるとデジテック・ワーミー、モーリーのオート・ワウ(「T.M.スティーヴンス・フォンク・ワウ」としてシグネイチャー・モデルも発売中)に歪み系のエフェクトを組み合わせてギター顔負けのサウンドを展開。シグネイチャー・モデルが作られる以前はスティーヴ・ヴァイ・モデルのオート・ワウ「バッド・ホーシー」を愛用。見た目同様、エフェクトの使い方も豪快で一瞬ベースであることを忘れるほどであるが、グルーヴが失われることは決してないところが、T.M.スティーヴンスの凄さではないだろうか。ちなみに、フィルター系や歪み系エフェクトだけでなくノーベルズのステレオ・コーラス「CH-D」のような空間系エフェクトを使用することもある。

名盤:エレクトリック・パウワウ

 スティーヴィー・サラスが豪華ミュージャンを多数迎えて制作されたカバー・アルバム。T.M.スティーヴンスの参加はわずか2曲だが、その2曲でのプレイがあまりにも素晴らしいので、あえてT.M.スティーヴンスの名盤にあげさせていただきたい。まずヒートウェイヴの大ヒット曲「グルーヴライン」。この曲でのグルーヴィなラインと緩急をつけたスラップで聴かせるベース・ソロはベーシストなら一度は聴いていただきたい。またファンカデリックの「グッド・トゥ・ユア・イヤホール」での本家顔負けのグルーヴも是非体感してほしい。