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ギーザー・バトラー(Geezer Butler)

ギーザー・バトラー(Geezer Butler、本名Terence Michael Joseph Butler)はイングランド・バーミンガム出身のベーシストです。へヴィ・メタルの元祖といわれているバンド「black sabbath(ブラックサバス)」の創設当初からのメンバーで、何度かの脱退と再加入を繰り返しながら、現在もこのバンドに所属しています。

【使用機材】Fender Precision Bass、Lakland Geezer Butler signature bassなど
【所属バンド】black sabbath

biography

1949年7月17日イングランド・バーミンガムで生まれます。1967年、後にブラックサバスのボーカリストとなるオジー・オズボーンらと「Rare Breed」というバンドを結成します。このバンドではギーザーはギターを弾いていました。「Rare Breed」は程なく解散しますが、二人は1968年にはオジーが中心となり結成したバンド「The Earth」で再び活動をともにすることとなります。ここにギターのトニー・アイオミ、ドラムのビル・ワードも参加し、さらにギーザーはトニー・アイオミの要望によりベーシストへ転向します。

black sabbath結成

翌1969年、ギーザーの発案でバンド名を「The Earth」から「black sabbath」へと改名します。この「black sabbath(ブラック・サバス)」は1964年に公開されたホラー映画のタイトルで、このバンド名からもイメージされる黒魔術などのオカルト志向は、バンドの楽曲やパフォーマンスにも色濃く反映されています。

1stアルバム:black sabbath(黒い安息日)

ブラック・サバスは、1970年アルバム「black sabbath(黒い安息日)」でデビューを果たします。このアルバムは全英8位のヒット作となり、さらに同年7月にリリースされたセカンドアルバム「Paranoid(パラノイド)」は全英1位を記録し、一躍トップバンドとなります。この後も1973年リリースの5thアルバム「Sabbath Bloody Sabbath(血まみれの安息日)」までのすべての作品がアメリカでミリオンセラーを記録するなど、安定した人気を維持していました。


black sabbath- “ black sabbath”
デビューアルバム「black sabbath」のオープニング曲「 black sabbath 」。タイトルからもわかるようにバンドのコンセプトを代表するような楽曲で、オカルトな雰囲気が漂っています。

メンバー間の不和、ギーザー・バトラー・バンドの結成

しかし1976年頃から音楽の流行はパンク・ニューウェイブへとシフトし始め、バンドの人気にも陰りが見え始めます。これに伴いメンバー間の不協和音も生じ出しました。特にボーカルのオジー・オズボーンは重度のアルコール依存となっており、1977年に解雇という形でバンドを去ることになります。が、後釜のボーカリストもいい評判は得られず、バンドはオジーを呼び戻し1978年に8thアルバム「Never Say Die(ネバー・セイ・ダイ)」をリリースします。しかしこの作品も酷評され、アルコール依存にも改善が見られなかったオジーは再度解雇され、元レインボーのロニー・ジェイムス・ディオがボーカルとして迎え入れられます。

1980年ギーザーも一度バンドを離れることになりますが、翌年初頭には復帰します。この後も元ディープパープルのイアン・ギラン等をボーカルに据えバンドは活動していきますが、1984年にギーザーは再びバンドから脱退し、自身のバンドである「ギーザー・バトラー・バンド」を率いての活動を始めます。また1988~9年にはオジー・オズボーンのバンドに加入し、「No Rest for the Wicked World Tour」に参加します。

1991年にはブラック・サバスへ復帰し16thアルバム「Dehumanizer(デヒュ-マナイザー)」など2作品に参加し1994年に再び脱退。1995年にオジー・オズボーンのアルバム「Ozzmosis(オズモシス)」に参加した後、自身のプロジェクト「GZR」を立ち上げ、1995年にアルバム「Plastic Planet(プラスティック・プラネット)」、1997年にアルバム「Black Science(ブラック・サイエンス)」をリリースします。

1997年にはブラック・サバスの結成当時のメンバー(ギーザー、オジー・オズボーン、トニー・アイオミ、ビル・ワード)での再結成を果たしワールドツアーを敢行、ライブアルバム「Reunion(リユニオン)」をリリースします。2005年にはソロプロジェクト「GZR」のアルバム「Ohm Works(オームワークス)」を」リリース、2013年にはブラック・サバスの18年ぶりの19thアルバム「13」をリリースしデビュー43年目にして初の全米ビルボードチャート1位を獲得します。


Heaven & Hell – Heaven & Hell(Live At Radio City Music Hall)
ロニー・ジェイムス・ディオがボーカルを務めていたころのメンバーによる2007年のライブ映像。この頃には、契約上の理由からこのメンバーでの演奏では「ブラック・サバス」を名乗ることができず、1980年のロニー在籍時に作成したアルバムタイトル「Heaven & Hell」をバンド名として活動していました。ロニーのボーカルはブラック・サバス歴代のボーカリストの中でもオジーに次ぐ評価を受けています。

black sabbathの現在

2016年、「THE END」と銘打たれたブラックサバスとしての最後のワールドツアーを開始します。このツアーは2017年2月、バンドの発祥の地であるバーミンガムでのライブで終了しますが、はっきりと解散は明言しておらず、今後の活動には含みを持たせています。


black sabbath- “Paranoid ” from The End
「THE END」ツアーよりセカンドアルバム「Paranoid」のタイトル曲「 Paranoid 」。シンプルですが疾走感のあるノリがとても気持ちいい楽曲です。

プレイスタイル

ピッキング

奏法的には一般的な2フィンガー奏法ですが、「掻きむしるように」と表現される高い位置から指を振り下ろすモーションの大きなピッキングが特徴的です。また通常2フィンガー奏法ではフロントピックアップ付近をピッキングすることが多いですが、ギーザーはこの位置も独特で、ネックの接合部付近またはネック上をピッキングする場面が多く見られます。こららはどちらも、弦とフレットが当たるアタック音を強調するためと考えられます。


black sabbath “Iron Man”
セカンドアルバム「Paranoid」に収録された、ブラック・サバスの代表曲のひとつです。ネック上でのモーションの大きいピッキングが確認できます。

ダウンチューニング

近年のメタルバンドでは当たり前になっているダウンチューニングですが、これを初めてやったのはブラック・サバスといわれています。チューニングを下げることにより弦が緩くなり、へヴィな音色を得ることができます。ちなみにこのダウンチューニングを始めたのはギーザーではなくギターのトニー・アイオミで、事故によってハンディがある右手(トニーは左利きのため右手で押弦)の負担を軽減するためのものでした。

使用機材

ブラック・サバスでのデビュー当時は主にプレシジョン・ベースを使用していましたが、その後はリッケンバッカーやB.C. Rich Eagle Bassなど様々なベースを使い分けてきています。そして近年はLakland社製のシグネチャーモデルを使用することが多いようです。

Lakland GEEZER BUTLER SIGNATURE BASS Lakland GEEZER BUTLER SIGNATURE BASS

このベース「GEEZER BUTLER SIGNATURE BASS」はプレシジョンベースタイプのボディで、ピックアップはフロントにプレシジョン・タイプ、リアにジャズベ・タイプのいわゆる「PJタイプ」の配列になっています。なお、このピックアップはEMG社製で、こちらもギーザー・バトラーシグネチャーのモデルとなっています。3フレットから9フレットまでのポジションマークがドクロや十字架をモチーフにしたデザインになっていることと、ピックガードがブラックとグレーのストライプ柄になっていることが見かけ上の大きな特徴となっています。使用されている木材はボディにアルダー、ネックにメイプル、指板にローズウッドと、伝統的なプレシジョンベースを踏襲しています。
エフェクターではワウペダルの使用が特に印象的で、ベースに初めてワウペダルを使用したのはギーザーであるとも言われています。


black sabbath- “N.I.B.” from The End
デビューアルバム「black sabbath」よりブラック・サバス初期の代表曲「N.I.B.」。冒頭のベースのみの部分でワウのサウンドを聴くことができます。